「海外に夢みないほうがいいよ」帰国した日本人に聞いた海外生活の現実
海外生活で気を付けることは?帰国子女ならではの示唆に富んだアドバイス
日本で生活を送るなかで、いつかは生活の拠点を海外へ移し、勉強したりキャリアを形成してみたいと考えるかたも多いのではないでしょうか。
そこで、海外生活が長い帰国子女の方々よりアドバイスをいただきました。
行きたい国の文化や習慣を学び、理解を深めておく
まずは、渡航する前に準備すべき事柄として「行きたい国の文化や習慣を学んでおく」ことが重要になるようです。
そこで、15歳のときにフィリピンから帰国した女性からはこんなアドバイスが。
「海外へ行く前に、自分が訪れる国の文化や習慣について学んでおくことが大切です。特に挨拶やマナー、宗教や法律など、日本と大きく異なる点に注意しましょう。日本では当たり前のことも、海外では失礼にあたる場合があります」
失礼の内容によっては「知らなかった」では済まないこともあります。事前にしっかり調べておきましょう。
「海外で学べるのは言語だけではありません。海外の文化や社会を理解することは、自分の視野を広げること。歴史や政治、宗教や芸術など、様々な分野に興味を持ち、自分の専門分野や興味のあることが海外でどのように考えられているかを調べておくもいいと思います」(ブラジル/18歳で帰国)
「言語」の壁は積極的なコミュニケーションで突破するしかない
さらに、海外生活を始めるうえで最初のハードルとなるのが「言語」の壁でしょう。帰国子女の方々からも、言語にまつわるアドバイスが多く挙げられています。
「海外生活には新しい文化、言語、人々に対する理解が必要ですが、遠慮していると何も得られません。積極的な姿勢でコミュニケーションを図ることが大切。英語が片言でも、フレンドリーな人たちが多いので助けてくれます。 関わる気持ちを持って積極的に行動すれば、充実した海外生活が送れると思います」(アメリカ/14歳で帰国)
控えめでシャイな性格と言われがちな日本人。海外では自分の殻を破って積極的にいくべきということですね。
「滞在中は現地の人とのコミュニケーションを重視し、心を開いて交流することが大切です。海外で友人や知り合いができれば、海外生活で困ったり孤独を感じた時に助けてくれることがあります。異文化を楽しむためにも、まずは積極的に関わっていくことがよい経験に繋がりますよ」(オーストラリア/18歳で帰国)
そして、「まずは短期滞在をしてみたほうがいい」と提案してくれたのは、10歳のときにシンガポールから帰国した男性。
「文化の違いや風習、言語など、今までとは違うことに急に順応していくのは大変。可能であれば、まずは旅行感覚で目的地に短期滞在してみるのがいいと思います。都会だけでなく、地方にも行ってみるとより文化の違いや理解が深まると思います」(シンガポール/10歳で帰国)
確かに、都会の明るい部分だけでは感じ取れないこともあるでしょう。広い国土を持つ国では、都心から離れた地域も知っておく必要がありそうです。
自分の身は自分で守る
海外生活を送るのは、異なる文化圏の人と共存するということ。一歩間違えれば、トラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。
日頃からトラブルが起こることを前提に、「自分の身は自分で守る」意識を持つようにしましょう。
「海外生活は楽しいですが、トラブルに巻き込まれないように気を付ける必要があります。旅行などの短期滞在であっても、事前に治安や気候、交通機関など目的地に関する情報を調べておき、パスポートやクレジットカードなどの貴重品は常に身につけておくか、ホテルの金庫に預けるようにしましょう」(カナダ/14歳で帰国)
高校時代にアメリカから帰国した女子大生は「海外にあまりキラキラしたイメージを抱かないほうがいいと思います」と話します。
続けて「基本的にはみんないい人なんですが、なかには 『外国人だから何も知らないだろう』と近づいてくる人もいます。初対面でぐいぐい来たり、最初から愛想がいい人は信用しないほうがいいと思います」とのこと。
日本にも言葉巧みに人を騙す詐欺師はいます。普段から何事にも警戒心を持っておくことが重要ですね。