運命的な「青」に出会う。日本最南端の有人島・波照間島の美しさ
透明度の高い美しいビーチで真っ青な空のもとノンビリとしたい……。そう思った時に、海外へ行くのもいいのですが、日本国内でぜひともおススメしたいのが、沖縄本島よりさらに遠い八重山諸島にある波照間島。
南十字星を見ることもできるという南国・波照間島の魅力を紹介します。
誰もが衝撃を受ける波照間の海の美しさ
古今東西、なんとなく人間は最北端とか最西端とかの先端を目指したくなる生き物だと思うのですが、みなさんは日本の最端はすでに制覇済みでしょうか?
我が国の人が住む最南端の地として知られる波照間島が沖縄の島のひとつであることは知られていますが、その地理的位置をきちんと理解している人は意外に少ないように思います。
波照間島は石垣島のさらに南に位置する八重山諸島のひとつで、那覇からの距離は470kmとはるか遠く、石垣島からも50km離れています。
ちなみに東京~大阪間の距離が直線にして400kmほどと聞けば、波照間島がどれだけ“最果て”の島であるかイメージがわくと思います。
周囲12.73平方キロメートル、人口500人ほどの小さなこの島は、真っ青な空とサトウキビ畑が続くのどかな島。今でこそ沖縄の島として認識されていますが、長い歴史においては沖縄の琉球文化とはまったく異なる八重山文化が育まれてきた地です。
波の照る間の島と書いて“はてるま”と読むこの島は、うっとりと音の響きも美しく、そこに並べた文字の美しさが合わさると、まるでこの世のものではない神々しささえ感じます。
島の名前の由来は、“果てのうるま”だと言われ、“うるま”とは沖縄の言葉で珊瑚のことで、美しい珊瑚礁に囲まれた最果ての島を意味しているのです。
そんな波照間の海の美しさは、筆舌に尽し難く、とても言葉で伝えることなどできません。敢えて言うなら、“衝撃的”でしょうか。
港の横に広がる「ニシ浜」は真っ白な砂浜が長く続く波照間を代表するビーチで、その海の色は島人から愛情を持って“ハテルマブルー”と呼ばれていますが、その出会いに衝撃を受けない人はいないと思うのです。
よく海の青さを表して、目の覚めるようなブルーとか、吸い込まれるようなブルーなどと言ったりしますが、そんなありきたりの表現ではまったくもって足りません。他のどこでも見たことがない、この島だけにあるブルー、それが“ハテルマブルー”です。
ニシ浜へはなだらかな細い坂道を下って行くのですが、その坂の上からビーチの青が覗いた瞬間、初めて島を訪れた人はみな思わず「わぁーーーーー!」と歓声をあげ、焦る気持ちで砂浜へと走りだします。
そして、パノラマに広がるビーチを目の前にしたとき、ハテルマブルーの美しさに衝撃を受けるのです。
何が衝撃的って、日本にもこんな色彩の海があることをそれまで知らずに生きてきたことに衝撃を受けるのです。
これまでいくつも飛行機を乗り継ぎ、お金と時間をかけて海外の美しいビーチを求めていたことがとことん馬鹿らしくなる瞬間です。灯台下暗し。幸せの青い鳥は意外にも身近なところにあるというのはまさにことのことです。