評価は高くも苦戦する日本。「アジア大学ランキング」発表
センター試験も近づき、受験生の皆さんは最後の大詰めの時期ですね。日本の教育水準は世界でもトップクラスと言われていますが、実際に海外の大学と比較してそのレベルはどのようなものなのでしょうか。
その疑問に答えてくれるのが「QS社」が2004年から毎年発表している「世界大学ランキング」です。そしてこの度、2019年版QSアジア大学ランキングが発表されました。さっそく、詳細を見てみましょう。
日本の大学最高は東京大学の11位。アジア全土で最も権威ある大学に
このランキングでは国際的研究ネットワークを各大学がどの程度構築しているかを測定するInternational Research Network(国際的な研究ネットワーク)指標を新たにに導入しています。
10回目となる今回のランキングでは「シンガポール国立大学」が1位、日本の大学は89校がランクインし、その内、東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学の4校が20位以内にランクインしました。
これはアジアのどの国よりも多く、日本の大学が国際的な共同研究に対し積極的な姿勢を持っていることを示しています。
- 11位 東京大学(昨年比2ランク上昇)
- 14位 京都大学(昨年比3ランク上昇)
- 16位 大阪大学(昨年比1ランク上昇)
- 18位 東京工業大学の18位(昨年比4ランク低下)
「東京大学」は2ランク上昇し、2015年以降最高位となる11位にランクイン。同大学はQS’s Academic Reputation(学術的な評判)指標においてアジア地域で最高得点を達成しています。
また企業など雇用者側も、東京大学の卒業生を高く評価しているようです。同じくQS’s Employer Reputation(雇用者からの評判)指標では満点(100/100)を獲得し、アジア全土で最も権威ある大学として認められています。
このような高評価の一方で、日本の大学が教員の増員に苦戦していることも今回の調査でわかりました。学生に対する教員の比率を表すFaculty/Student Ratio(学生に対する教員の比率)の指標では、今回ランクインした国内大学89校のうち70校の評価が低い結果となっています。
加えて、残念なことに日本の大学の研究能力がアジアの競合大学と比較して落ちているというデータもあります。教員1人当たりの論文発行数を示すPapers per Faculty(教員当たり論文発行数)では、日本の89校のうち77校で、今年度は昨年よりも低いランクとなっています。
2019年版QS日本大学ランキング
「QS世界大学ランキング」はほかにも、地域別大学ランキング、留学先都市ランキング、学部別ランキング、高等教育システムランキング、卒業生の就職力ランキングも発表しています。上記はランクインした日本の89校を、日本のみに絞って20位までランキンぎしたものです。
今回の調査では、日本の大学は東京大学をはじめとして、学術的な評価や企業などのからの評価はアジア全土でも高いことがわかりましたが、一方で教員の増員に苦戦していることや、大学の研究能力がアジアの競合大学と比較して落ちているということもわかりました。
いずれにしても、教育水準は世界でもトップクラスと言われている日本として、これからの大学教育のあり方には、各国からも注目を集めそうですね。
source:PR TIMES
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