絶対に見破れない。世界一のマジシャンが魅せる名作文学を題材にしたマジック
マジックやマジシャンといわれると、テレビ番組で見るパフォーマンスを思い浮かべるはず。
しかし、マジシャンの妙技は目の前で見せてもらった方が、時間と空間を共有できるために驚きも感動も余計に増します。ただ、生でマジックを見ようと思っても、なかなか機会がありませんよね。
そこで今回は、日本一のマジシャンのパフォーマンスをカフェ感覚で楽しめる、石川県金沢市の「マジックカフェ&バーBELIEVE」について紹介します。
北陸に暮らす人でないと「簡単には見に行けない」と思うかもしれませんが、ちょうど連休が控えています。新型コロナウイルス感染症の対策を十分にした上で、金沢旅行を考えてもいいのではないでしょうか。旅先の目玉のひとつとしてプログラムに組み込んでくださいね。
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※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
「日本一のマジシャン」のマジックカフェ&バー
金沢駅の兼六園口(東口)目の前に、とてもシンボリックな建造物があります。米旅行雑誌のトラベル&レジャーのweb版が選ぶ「世界で最も美しい駅14選」に、JR金沢駅が日本で唯一入るきっかけとなった駅の「正門」です。
駅に到着したら、その堤門(もてなしドーム)をくぐって駅前中央交差点を渡ってください。
正面に見える大きな道(別院通り)に入り、信号のある最初の交差点(別院通り口)を右折します。大人の足で約6分ほど歩くと進行方向の右手に「マジックカフェ&バーBELIEVE」があります。
同店を独立開業したヤマギシルイさんは「The Japan Cup 2021」においてベスト・クロースアップ・マジシャンに輝いた、いわば日本一の実力派マジシャンです。
The Japan Cupとは、日本クロースアップ・マジシャンズ協会が毎年3月に実施する日本のマジック界で最大級の催事で、そのクロースアップ・マジシャン(少人数の観客にマジックを至近距離で演じるマジシャン)部門でヤマギシさんは日本一に輝きました。
その数年前の2019年には、マジックの国際会議でアメリカのコンベンションであるThe Rocky Mountain Sessionに日本人初出演者としてゲスト招待され、全てのショーでスタンディングオベーションを獲得した人でもあります。
ヤマギシさんは読書家・ミステリー作家としての顔を持つために「小説を愛するマジシャン」というコンセプトを一方で掲げ、古今東西の名作文学を題材にしたマジックにも取り組んでいます。
文章・写真・イラスト・音楽・映像などの作品投稿が可能なwebサービスのnoteでは、ペンネーム「不知火黄泉彦」でミステリー小説『雨の牢獄』も執筆しているのだとか。
ご自身でお店を「もはやブックカフェ」と発言していますから、文学談義にも話を咲かせられそうですね。
芸術や文化としてマジックを金沢に浸透させたい
そもそもヤマギシさんは、どのような経緯でマジックバーを独立開業したのでしょうか。
プロフィールは石川県生まれで、地元にある金沢美術工芸大学デザイン科を「物体が浮遊するショーウィンドウ」の卒業制作で終えています。
2年ほど一般企業で会社員として過ごした後、子どものころから憧れたマジシャンの道へ転向し、金沢市片町にあったマジックバーで2009年にプロデビュー。
店長職のハウスマジシャンとして10年活動し、先述したアメリカで開催されたマジックコンベンションへの招待と前後して、所属店の移転(閉店)話が持ち上がると、同店オーナーから独立開業への後押しがあります。
開業を決意したヤマギシさんは金沢で物件を探し始め、「世界で一番本を読むマジシャン」というコンセプトを練り上げます。
前のお店から常連を引き継げる可能性が高い地元・金沢以外での出店は考えなかったそうで、映画や観劇に並ぶ楽しみの選択肢をつくり、地元の暮らしを豊かにしたかった思いも独立開業にはあったそう。
全24席の店内には入り口正面にカウンター席があり、左手奥にテーブル席が2セット。カウンターに並ぶ形で奥には、約1坪ほどのステージも用意されています。気になる料金システムですが、席料(マジック料込み)+ドリンク・フードの合計金額です。
- カフェタイム:席料2,000円(18歳未満1500円)+ドリンク・フード
- バータイム:席料2,500円(18歳未満2,000円)+ドリンク・フード
ドリンク・フードは1,000円から。最低でも昼は3,000円、夜は3,500円で日本一のマジックが楽しめるのですね。
ちなみに席料は1時間経過するごとにプラス1,000円が発生します。本格的にマジックを楽しみたい場合は、お店を貸し切って店内奥のステージを使ったダイナミックなマジックショーも楽しめるのだとか。
新型コロナウイルス感染症の終息の後には力を入れたいという「出張マジック」も受け付けています。
アメリカではホームパーティーにマジシャンを呼ぶ文化があるそうで、一過性の娯楽ではない芸術や文化としてのマジックを金沢に浸透させたい思いもあるみたいですね。