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ラーメンとは違う、昔ながらの「中華ソバ」とはなんだろう?

安曇野通信
安曇野通信
2017/03/28

日本の国民食である「ラーメン」。もともとは中国がベースになっていると言われていますが、日本のラーメンは独自の形で進化していきました。

今では、中国や台湾などのアジア地域はもちろんのこと、欧米諸国でも日本のラーメンは人気です。では、日本のラーメンはどのように進化していったのでしょうか?

無料メルマガ『安曇野(あづみの)通信』の著者・UNCLE TELLさんが、ラーメンの歴史と変遷についてわかりやすく解説しています。

支那ソバ、中華ソバ。意外と知られていないラーメンの歴史

image by:photoAC

ラーメンは中国からきたもので、ラーメンの本場は、中国だと思っている人がいたらそれは大いなる間違いである。確かにラーメンの元・ベースは中国から来たが、今日のラーメン、多様なバリエーションまで日本で発展し花開いたものである。今や世界に誇る食文化・ラーメンの本場は日本なのである。

今住んでいる信州松本、以前いた長野でも、市内でもさすが支那ソバを名乗る店は希だが、中華ソバ屋はまだかなりある。

ご存じだと思うが、ラーメンのことを戦前(第2次大戦前)は、支那ソバと呼んでいた。中国のことは支那と呼んだ。戦前の地図を見れば支那と載っている。

それが、戦後、中華ソバと変わった。もし仮に、日本が戦争に負けなければ、あるいは呼び方はそのままだったかもしれない。というわけで、巷は大方はもちろんラーメン屋だが、まだまだ中華ソバ屋もがんばっている。あえてラーメンといわず中華ソバといい続ける。

そんな中華ソバ屋のラーメンを食べて見て、それは、”うちは昔ながらの中華ソバ、今様のラーメンとは違うんだよ”と主張しているようでもある。

サッポロラーメンをはじめ、さまざまなラーメンに枝分かれしていく前の南京ソバ、支那ソバ、中華ソバと引き継がれたラーメンの原形モデルともいうべき横浜・東京ラーメンの伝統を守っているというのだろう。


ではラーメンとは違う、昔ながらの”中華ソバ”とは何んだろう。スープにしても具にしても、いろいろなバリエーションが出てくる前のシンプルさを残しているもの、また残していると自負しているものなのだろう。

明治も後期、横浜の広東省や福建省出身者の多い華僑の住む南京街で、同じ華僑相手に供することで生まれた中国風の麺。日本人の客も増え、塩味だったスープも郷に入れば郷に従えのごとく、日本人の好みにも合うよう醤油味に変わっていく。南京ソバといわれた。最初は麺だけで具は何ものっていなかったという。

やがてはっきりした時代はさだかでないが、シナチク(支那竹・メンマ)がのる、ナルトがのる、チャシューが入る、そして海苔がのる、ホーレンソーや葱、ゆでタマゴの輪切りがのる。

今のラーメンの原形が出来上がるのが関東大震災後あたりだともいうが、ここら辺は諸説粉々。名前もいつのまにか支那ソバに変わった。

明治末期、東京にはチャルメラを吹きながら市内を徘徊する屋台のラーメン屋があり、浅草には「来々軒」という支那ソバ屋が出来た。ラーメンというの呼び方そのものは戦前からあったらしいが、ラーメンの呼称がほんとうにポピュラーになったのは昭和も40年代以降

思うに、オースドックスな中華ソバは、先ず角型渦巻帯がついた丼に、あのチリチリ麺、あくまで澄んだ醤油味、シナチク、チャーシュー、海苔、緑色のホーレンソー、白い葱、ゆで卵の輪切りがある時もない時も。

この彩りが一応定着し関東大震災後の30年ほど、さほど変化もなく横浜・東京風ラーメンである支那ソバ・中華ソバが、日本のスタンダードとして、愛され親しまれ、栄えていたわけである。

あえてラーメンと名前を変えない中華ソバ屋が存在するのは、かの郷愁の”昔ながらの中華ソバ”を守っていこうとする気概なのであるかもしれない。

ところが戦後も20年30年、サッポロラーメンが出現、人気を博するにつれ日本のラーメン界の群雄割拠状態が始まるわけである。

麺もスープも具も千変万化。北にサッポロラーメンあれば、南に九州ラーメンあり、その後も続々ご当地ラーメンが産声をあげ、まさに覇権を争う状態だ。

そのためか、かって日本の、”ラーメンなるもの”のイメージを統一して栄えた支那ソバ・中華ソバの系譜を汲む横浜・東京ラーメンも、今や一ローカルというところ。

松本市や長野市に、中華ソバ屋が多く残っているのは関東文化圏で、昔ながらの中華ソバの味をこよなく愛するお客がも多いともいうことでもあるだろう。

安曇野通信

『安曇野通信』
発刊以来10年、みすずかる信濃はアルプスの麓、安曇野を中心に信濃の光と風、懐かしき食べものたち、 野の花、石仏、植物誌、白鳥、温泉、そしてもろもろ考現学などを、ユニークな(?)筆致でお届け。

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