長崎は今日もエキゾチック。龍馬も愛した「和華蘭文化」って何?
和華蘭文化の完成形、長崎卓袱料理と長崎くんち
長崎卓袱料理とは、もともと大皿に盛られた料理を小皿に取り分けて食すのですが、この大皿で盛り付けて小皿に取るという習慣、中国料理の習慣と全く同じです。また卓袱料理には「東坡煮」と呼ばれる「豚の角煮」が登場。
「東坡煮」は中国では「東坡肉」や「紅焼肉」と呼ばれ、中国でも大変メジャーな豚肉料理のひとつ。長崎には「豚の角煮」を使った「角煮まんじゅう」と言うお土産も登場しています。
「長崎てんぷら」は、衣に砂糖を混ぜるため甘みがあり、フワリとした食感が特徴。もとは南蛮料理がルーツとのことですが、「フリッター」が影響していると推測できます。
日本料理をベースとした中華料理や南蛮料理、外国の習慣が混ざり合った長崎卓袱料理。大皿の中に「和華蘭」の文化が集約されているのです。
「長崎くんち」については、以前ジモココにも記事が登場していますが、毎年10月に諏訪神社で開催される祭り「長崎くんち」の奉納踊にも「和華蘭」が盛りだくさん。
「日本」の川船(かわぶね)、本踊(ほんおどり)。
「中華」の龍踊り(じゃおどり)、唐人船(とうじんせん)、唐獅子舞(からししまい)。
「オランダ」の阿蘭陀船(おらんだぶね)、オランダ万歳(まんざい)。
他にも「ベトナム」との交流を描くアニオー姫が登場する御朱印船(ごしゅいんせん)など、非常に国際色豊かで豪華絢爛な奉納踊も「長崎くんち」の見ものの一つです。
長崎市民がこよなく愛す「長崎くんち」は「和華蘭」の完成形と言っても過言ではないのです。ちょっと駆け足で長崎市内に残る「和華蘭文化」をご紹介しましたが、市内をテクテク歩いてみると、他県の街では味わうことが出来ない、海外の文化や風習がミックスされた異国情緒豊かな街並みに遭遇する可能性も。
長崎に訪れた際には、是非アナタの足でアナタだけの「和華蘭文化」を発見してもらえればと思います。