城めぐり愛好家が愛する、一度は行きたい「海城・湖城」TOP10【2019】
第3位 今治城/愛媛県
日本三大水城のひとつに選ばれる「今治城」。藤堂高虎が築いた城で、1608(慶長13)年ごろ完成しました。海水を掘りに引き込んだことや、城内の港である船入を国内最大級にしたことなどから、日本屈指の海城とされています。
建物のほとんどは明治維新後に取り壊されましたが、1980(昭和55)年に天守が再建されて以降、櫓などの再建が進んでいます。
特に注目なのは、2007(平成19)年に再建された鉄御門。二の丸の表門ですが、門を鉄張りにして防御力を高めると同時に、枡形に入ってきた敵を門の上部やまわりの櫓など三方から攻撃できるようにしてあります。
第2位 高松城/香川県
こちらも日本三大水城のひとつ。「高松城」は水戸黄門として有名な徳川光圀の兄、松平頼重を初代とする松平家の居城です。瀬戸内海に面した城で、内堀、中堀、外堀すべてに海水を引き込みました。
現在では外堀はすべて埋め立てられており、中堀と内堀も一部しか残っていませんが、内堀では潮の干満による堀の水位の変化を見ることができます。建物は艮櫓、月見櫓、渡櫓、水手御門が現存しています。
第1位 安土城/滋賀県
第1位は滋賀県の「安土城」。織田信長が、1576(天正4)年から約3年をかけて築きました。明智光秀が信長を倒した、1582(天正10)年の本能寺の変ののち、火事で焼け、現在は石垣や礎石、屋敷や道の跡が残っているだけです。
天主の最上階は外側に金箔が貼られていたとされており、形は四角形。内部には古代中国の伝説的君主や老子・孔子などの賢者の肖像が描かれ、道教や儒教の教えを示していたといわれています。
安土城が築かれた安土山は、後世の干拓事業で琵琶湖から離れてしまいましたが、信長の時代には琵琶湖に接しており、湖上交通の要地でした。このことから、信長は安土城に水城としての役割を持たせようとしていたと考えることができます。
日本の国土は山がちですが、同時に海に囲まれてもいます。平城や平山城に比べて、あまり目立たない海城や湖城ですが、じっくり見ていくと築城者の工夫が見て取れるもの。水面から、彼らの考えをおしはかってみませんか。
- source:Value press
- image by:いよ観ネット
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- ※一部、本文内の画像を修正しました。(2019/12/2)