ニッポンがほこる名城。歴史と情緒を感じる「日本の城」TOP10【2019】
第7位 松江城/島根県
島根県の「松江城」は、1611(慶長16)年に江戸時代の大名・堀尾吉晴が建造しました。入母屋破風の屋根が羽根を広げた形に見えることから「千鳥城」とも呼ばれています。天守は外層5層、内部6階で最上階は望楼。360度の視界が広がっています。
天守のシャチホコは木彫銅張りとなっています。高さは約2mで、現存する木造シャチホコでは最大です。城のつくりは実戦本位で、たとえば天守の階段は敵が上がってこれないように取り外し式。素材も軽くて扱いやすい桐となっています。
第6位 五稜郭/北海道
北海道にある星の形をした「五稜郭(ごりょうかく)」は、江戸幕府が箱館奉行所として建設しました。星の形はヨーロッパの城郭都市がモデルとされ、稜堡(りょうほ)が5つあることから五稜郭と呼ばれるように。戊辰戦争では旧幕府軍の拠点となっています。
1914(大正3)年に公園として開放され、約5,000本の桜が植えられたことから、現在では北海道有数の桜の名所としても知られています。また2006年には高さ107mの「五稜郭タワー」がリニューアルオープンし、五稜郭はもちろん函館山や津軽海峡を臨めるビュースポットとして人気を集めています。
第5位 彦根城/滋賀県
天守が国宝指定されている5城のうちのひとつが「彦根城」です。井伊直継と直孝が建造し、1622(元和8)年に完成しました。天守の見どころは2層目で、切妻破風、入母屋破風、唐破風の組み合わせによる美しさは必見です。
表門の先にある天秤櫓は、橋をはさんで天秤のように左右対称なことが名前の由来ですが、日本の城郭でこの形のやぐらは彦根城のものだけといわれています。藩主の表御殿を復元した形の彦根城博物館では、藩主井伊家伝来の美術工芸品や古文書を展示。大名の豪華な趣味がわかります。
第4位 名古屋城/愛知県
金のシャチホコでおなじみの「名古屋城」は、徳川家康が1615(慶長20)年に建造。天守は戦災で焼失し、鉄筋コンクリート造りで再建されましたが、こちらも老朽化が進んでおり、現在は閉館中です。しかし、これも戦災で焼失した本丸御殿は忠実に復元され、2018年から一般公開されました。
3代将軍徳川家光が泊まるために建てた「上洛殿」の豪華さは目を見張るばかりです。創建時の姿のまま残る3つの「隅櫓(すみやぐら)」や、大名庭園としては日本一の規模を誇る「二之丸庭園」など、歴史好きにはたまらないスポットが満載。さらに歴史ツウを自任するかたは、石垣も要チェックしてみてください。その精密な築き具合には、オドロクこと間違いなしです。