日本昔ばなしの世界・美山「かやぶきの里」ってどんなところ?
京都府のほぼ真ん中に位置する南丹市美山町。豊かな自然に囲まれ、昔ながらのかやぶき民家が残る、ノスタルジックな風景は国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。この美しくも懐かしい景観を保つ「かやぶきの里」とは、一体どんなところなのでしょうか?
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美山「かやぶきの里」とは
「かやぶきの里」がある美山へは京都市内からは車で約1時間半。JR京都駅から公共交通機関を使うと約2時間ほどで到着し、“ぶらり旅気分”を味わうには、いい距離感にあります。ちなみに京都駅からは直通バスもでていますよ。
かやぶき屋根の民家で知られる美山町。なかでも由良川の北側に位置する北地区の集落には、39棟のかやぶきの建物が軒を連ねる「かやぶきの里」があります。
山並みや田畑を含めたその景色は、日本の原風景を色濃く残す集落として、平成5(1993)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
豊かな自然に囲まれたこの土地は、春は桜が集落をピンクに彩り、夏は新緑、秋は紅葉、冬は白銀の世界にと、四季折々の美しさをはっきりと映し出します。
この一帯は、1900年代初頭まで、福井県若狭地方から京都へ物資を運んでいた「西の鯖街道」の中継地でもあり、「京都丹波高原国定公園」にも指定されていますよ。
「かやぶきの家」ってどんな家?
かやぶきの里にあるかやぶき民家は、その多くが江戸時代に建てられています。「北山型民家入母屋造り」といわれ、土間は上げ庭で狭く、中央の棟木の筋で部屋を分けるなどの特徴があります。約200年も前に建てられた建物が現代まで残り、実際に今も人が住み続けることができるなんて驚きですね!
江戸時代から現代まで住み続けられているかやぶき民家の“家の中”、どうなっているのか興味が湧きませんか?
そんな時は「美山民俗資料館」がオススメです。約200年前の中層農家住宅が忠実に再現されており、実際に母屋や納屋を見学することができます。当時の暮らしぶりや、かやぶき屋根の裏側まで見られますよ。
また、この地域で一番古いかやぶき民家は、江戸時代である寛政8(1796)年に建てられたもの。今は「ちいさな藍美術館」として公開されていて、ここでは世界中から収集した珍しい藍染コレクションも展示されています。
もっといろんなかやぶき民家を見てみたくなったら、「かやぶきの里」からは少し離れてしまいますが、美山かやぶき美術館や日本最古の農家住宅の石田家住宅も、内部を見学できるのでいろいろ見比べてみると面白いかもしれませんね。
そもそも「かやぶき」とは??
かやぶき(茅葺)とは、「茅」で屋根を「葺く(屋根をおおう)」こと。「茅」とは、屋根に使われる素材のことですが、「茅」という植物が存在するわけではなく、ススキやヨシ、イナワラなどのことをいいます。
1軒の屋根を葺くのに必要な量は10トントラック5〜6台分。だいたい15年に1回、1面ずつ計画的に屋根の葺き替えがおこなわれます。
そんな「かやぶき屋根」のいいところは、調湿・断熱・遮音してくれるので、夏は涼しく冬は暖か。「究極のエコ住宅」といえるところです。
かやぶきの里を火災から守る一斉放水
毎年5月20日と12月1日には放水銃の一斉点検と防火講習がおこなわれます。62基の放水銃が一斉に放水されている約5分間、集落内は立ち入り禁止になり、かやぶきの里にアーチ状の水のカーテンがかかります。
貴重なかやぶき民家を守るため防災意識の向上を目的におこなわれる一斉放水。このような取り組みを見ることで、文化財を火災から守る大切さを学んでいくきっかけにしていきたいですね。