日本の100年前を振り返る。1923年「12月」はラグビー早明戦初戦の年

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2023/12/03

東京市が「学校給食」を開始

国内最古の木造校舎「旧吹屋小学校」image by:PhotoAC

今では、多くの自治体で当たり前のように実施されている学校給食。とくに小学校での給食の実施率は99.0%と、ほぼ100%に達しています。

そもそも、学校給食の始まりは1889年、山形県鶴岡町(現・鶴岡市)のお寺に建てられた私立の小学校で提供された給食が起源だとされています。生活の苦しい家庭の子どもに無償でお昼ご飯が提供されました。

その後、明治・大正時代を通じて、広島、秋田、岩手、静岡、岡山の一部で給食が実施され、慈善活動の意味合いが強かった給食に、子どもたちの栄養補給の充実という観点が加わっていきます。

国内最古の木造校舎「旧吹屋小学校」image by:PhotoAC

そして関東大震災という未曾有の大規模災害を受けて、学校給食の機能がますます注目されます。

同年10月には、文部次官の通達「小学校児童の衛生に関する件」で、子どもたちの栄養改善のために学校給食が奨励され、12月にかけて東京市(現・東京23区部)でも給食事業が盛んになりました。

東京市児童栄養供給部が毎日昼に無料で、市立小学校8校の児童約4,000人に給食を供与し始め、子どもたちの影響補給が劇的に改善されたのですね。

この後、第二次世界大戦の食糧不足で中止になるまで、1929年(昭和4年)の世界恐慌などの出来事も要因となり、学校給食は全国に拡大していきます。

国、地方公共団体、学校法人といった義務教育諸学校の設置者は、

“当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない”(学校給食法より引用)

という努力義務のなか、これまで実施を拡大させてきました。


東京市児童栄養供給部の取り組みが1つの転換期となり、学校給食の普及に大きく影響を与えたとも言える話。歴史は、こうしてつながっていくのですね。

以上、100年前の12月の出来事や流行、社会の動きを紹介しました。過去を振り返りながら今を生き、未来を見通す際にぜひ、役立ててください。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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