夏はシュワシュワ炭酸泉。希少価値の高い「天然の炭酸泉」が楽しめる名湯9選

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2024/07/24

夏の温泉のお楽しみはシュワシュワの炭酸泉満喫!スーパー銭湯で人工炭酸泉の浴槽に浸かったことがある人は、あの肌に小さな泡泡の気泡が吸いつく気持ちよさをわかってもらえると思います。が、あれは人工炭酸泉の気持ちよさ。天然炭酸泉にはまた一味も二味も上をいく気持ちよさがあり、その真髄を味わうなら夏に限るんです。

というのも、炭酸は40℃を超えると気体へと変化し、あのシュワシュワ感が消えてしまう性質。スーパー銭湯の炭酸泉は人工炭酸泉なので40℃くらいのお湯でもガッツリ炭酸を感じることができますが、天然炭酸泉の場合はそうは行きません。

そもそも源泉温度が低いことが多く、加温すると炭酸感が損なわれてしまうので、加温した湯との交互浴が基本ですが、夏なら源泉の素晴らしさを直球で味わえるというわけです。では、夏にこそ訪ねたいシュワシュワ天然温泉をご紹介したいと思います。

世にも珍しい炭酸硫黄泉の魅力白骨温泉「泡の湯」/長野県

山奥の秘湯、白骨温泉では色濃く映る四季の自然がまた風光明媚 image by:小林繭

白骨温泉の中でも名湯として名高い温泉宿「泡の湯」。この屋号にもなっている“泡の湯”に浸かるなら絶対的に夏がおすすめです。

37度の源泉を加熱せず使用している「ぬる湯」は、1時間でも浸かっていられる心地よさ image by:小林繭

お目当てはあの有名な露天ではなく、内湯。37度の源泉をそのまま注いだ透明な「ぬる湯」と、40度に加温した湯船が並び、交互浴でつかるようになっていますが、夏にはこの「ぬる湯」が一言でいって至福の極み。湯船につかっていると柔らかな泡が身体中をまといます。

湯底を触ると白い硫黄の沈殿物がたっぷり。硫黄の香りを鼻腔で楽しみながらシュワシュワ感を満喫。世の中的にもなかなか珍しい硫黄の炭酸泉をフレッシュな源泉掛け流しで楽しめます。

飲泉も可能。胃腸病や糖尿病に効果が高いといわれています image by:小林繭

ちなみに、透明な源泉が空気に触れて時間が経つと露天風呂のような美しいミルキーブルーに変わります。日帰りの利用でも、露天、内湯とも楽しめるので、ぜひ足を伸ばしてみて!

  • 泡の湯
  • 長野県松本市安曇4181
  • 0263-93-2101
  • 新島々駅からバスで約70分
  • 日帰り入浴料金:大人(中学生以上)1,000円/3歳~小学生まで600円
  • 日帰り入浴営業時間:10:30~13:30(14:00退館)
  • ホームページ

ユニークな入浴体験ができる「稲子湯旅館」/長野県

山小屋のような雰囲気の「稲子湯旅館」image by:小林繭

北八ヶ岳の山嶺に位置する「稲子湯旅館」もまた、夏にこそパラダイスを感じる温泉です。源泉温度7.6度の二酸化炭素硫黄冷鉱泉なので、とてもそのまま入るというわけにはいかないのですが、「稲子湯旅館」はとってもユニーク。

水圧を感じるほどドバドバと大量に冷泉を浴びるのが気持ちいい image by:小林繭

湯船には加温した温泉がいっぱいに張られ、大きなバルブをひねると源泉がドバドバと流れ出てくる仕組みで、身体の一部に冷たい源泉を浴びつつ、湯船の中で温かい温泉と一緒に楽しむというもの。やってみると、これが最高に気持ちいいのです!


運よく独泉できたらラッキー。好みの塩梅で冷泉三昧が叶います image by:小林繭

冬だと寒く感じて豪快に源泉をドバドバっとはやれないと思いますが、夏はもうエンドレスに止まらない気持ちのよさ!温かい湯に浸かりながら、滝を浴びているような気分というか。あのドバドバ感をみなさんもぜひ一度体験してみて!

  • 稲子湯旅館
  • 長野県南佐久郡小海町大字稲子1343
  • 0267-93-2262
  • 小海駅
  • 日帰り入浴料金:大人650円/小人300円
  • ホームページ

源泉からそのままの湯でアワアワ炭酸泉「山口温泉」/山梨県

東京に近い炭酸泉といえば山梨県。甲府の周辺には素晴らしい炭酸泉を持つ温泉が点在します。源泉36.6度の体温とほぼ同じぬる湯の炭酸泉を楽しめるのが「山口温泉」。甲府の隣駅、竜王から2kmちょっとの場所にある温泉施設です。こんな住宅地の中にこんなに素晴らしい温泉が!と、温泉ファンの間では知られた存在。

Ph8.0の弱アルカリ性、メタケイ酸や炭酸水素イオンを豊富に含む美肌の湯。素晴らしいのが、泉源から貯湯槽を設けずそのまま浴槽へ配湯していること。湯に浸かればすぐにアワアワの気泡に全身が包まれ、新鮮な源泉を思い切り堪能できます。

  • 山口温泉
  • 山梨県甲斐市篠原477
  • 0552-79-2611
  • 竜王駅
  • 入浴料金:大人600円(小人不可)
  • 定休日:月曜
  • 営業時間:9:00~20:30

九州の天然炭酸泉代表格長湯温泉「ラムネ温泉館」/大分県

可愛らしい看板ととんがり屋根が特徴的な「ラムネ温泉館」image by:大分県観光情報公式サイト

温泉豊富な九州は、天然炭酸泉にも恵まれた地です。いくつものシュワシュワ系温泉がありますが、“ラムネ温泉”の名で一番よく知られるのが、長湯温泉のこの「ラムネ温泉館」ではないかと思います。

長湯温泉の老舗「大丸旅館」が経営する日帰り施設で、ここでは古くから多くの文人たちに愛されてきた炭酸泉がコンコンと沸き続けています。

3室ある家族風呂でも42℃と32℃の2つの湯が楽しめる image by:TETSU Snowdrop/Shutterstock.com

ぷくぷくシュワシュワ感を楽しめるのは、湯温32度の露天風呂。夏でも最初はちょっと冷たいかなと感じるかもしれませんが、浸かっているとじわじわと身体が温かくなり、ちょうど気持ちのいい塩梅に。

内湯には別の源泉を42度で掛け流してあるので、しめは内湯でサクッと温まります。「大丸旅館」に宿泊の場合、無料で利用可能となります。

  • ラムネ温泉館
  • 大分県竹田市直入町大字長湯7676-2
  • 0974-75-2620
  • 入浴料金(大浴場):大人500円/小人(3歳~小学生)200円/3歳未満無料
  • 定休日:毎月第1水曜 ※1月と5月は第2水曜
  • 営業時間:10:00〜22:00
  • ホームページ

さまざまな体験方法がそろう長湯温泉「クアパーク長湯」/大分県

まるで温泉のテーマパークに来たみたい image by:PR TIMES

もうひとつ長湯温泉から、ラムネのシュワシュワ感が楽しめる施設を紹介しましょう。2019年にオープンした「クアパーク長湯」は、ドイツの温浴保養地「クアオルト」を原型とした温泉療養複合施設。

image by:PR TIMES

温泉はもちろん、水着を着て温浴を楽しむバーデーゾーンやレストランが設備されているので、半日から丸一日かけてゆっくりと炭酸泉を楽しむことができます。

歩行湯や寝湯など、いろいろな温泉の楽しみ方がそろう「バーデーゾーン」image by:PR TIMES

バーデーゾーンでは往復100mの歩行湯もあり、浅い・深いゾーン、足ツボゾーン、寝湯ゾーンなど変化に富んだルートを歩くことで運動温浴ができます。敷地内には宿泊棟もあるので、宿泊も可能。ヨーロッパの温泉の楽しみ方を体験できる施設です。

  • クアパーク長湯
  • 大分県竹田市直入町長湯3041-1
  • 予約専用:0120-381-126(受付時間 平日9:00~18:00)/その他お問い合わせ:0974-64-1444
  • 豊後武田駅からバスで約40~50分、タクシーで約20分
  • バーデゾーン:10:00~20:30(最終受付 20:00)/内湯:10:00~21:30(最終受付 21:00)
  • ホームページ

炭酸の強い刺激がほしいなら炭酸温泉「山里の湯」/大分県

国内屈指の強烈炭酸泉が楽しめる「炭酸温泉 山里の湯」image by:小林繭

源泉種類の豊富さとその個性の豊かさで、温泉ファンから“夢”の温泉郷とまでいわれる大分の九重町エリア。シュワッシュワを追求したいなら「炭酸温泉 山里の湯」がおすすめです。

炭酸泉としてはとても珍しく、源泉が40度近いのが特徴 image by:小林繭

シンプルな造りの内湯には浴槽が2つ並び、小さな方に源泉が掛け流されています。面白いのが炭酸泉の場合、源泉をためる湯船の他に加温した湯船が並ぶのが通常ですが、「炭酸温泉 山里の湯」では源泉温度が高いので、ドバドバと源泉が駆け流される浴槽の方が温度が高く、横にぬる湯が並ぶこと。

40度近くもあるのに、泡つきは抜群! image by:小林繭

浴槽の温度は38度から40度くらい(その日によって多少変化)ですが、なかなかの高温でありながらこの泡付きは他ではありません。時間を忘れてずっと浸かっていられる至福の温泉です。

  • 炭酸温泉 山里の湯
  • 大分県玖珠郡九重町田野1268-2
  • 0973-79-2516
  • 豊後中村駅からバスで約25分
  • 入浴料金:大人600円/こども(4才~小学生)300円
  • 定休日:火曜/水曜(祝日の場合は営業)
  • 営業時間:9:00~18:00(最終受付17:00)

浸かって・飲んで・食べて愉しむ湯谷温泉 炭酸泉の宿「泉岳館」/岐阜県

 
 
 
 
 
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霊峰御嶽山の山麓にある飛騨小坂。下呂温泉と飛騨高山のちょうど中間くらいに位置する300年前から湧き続ける天然炭酸泉の里が湯谷温泉です。「泉岳館」の源泉は12度。あまり癖がないので、飲泉にもピッタリ。

内湯ではこの冷たい源泉を加温した38度と41度の浴槽で交互浴を堪能。交互に入るを繰り返すことで本当にエンドレスに温泉に浸かってしまい、やめどきがわからなくなります。

また、こちらの宿では、食事や飲み物にもこの炭酸泉を利用しているのが特徴で、身体の中からも炭酸泉の効能を実感できる滞在が過ごせます。

  • 湯谷温泉 炭酸泉の宿「泉岳館」
  •  岐阜県下呂市小坂町湯屋427-1
  •  0576-62-3010
  • 飛騨小坂駅
  • チェックイン15:00/チェックアウト10:00
  • ホームページ

関西最強?高濃度な炭酸泉なら花山温泉「薬師の湯」/和歌山県

 
 
 
 
 
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和歌山にある「花山温泉 薬師の湯」は、関西最強の異名を持つ高濃度の炭酸泉。炭酸のみならぬ鉄分やマグネシウムなど温泉成分が実に濃いのが魅力です。

いかにも効きそうな茶褐色のにごり湯は源泉26度で、かなり冷たいのですが、38度、40度、41.5度と「ぬる湯」「あつ湯」が用意され、好きな湯船を行ったり来たりしながら温冷交互浴を楽しめるようになっています。

 
 
 
 
 
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サウナもあるので好みの手法で“ととのう”を実感できる湯。山奥の秘湯かと思うような個性的な源泉でありながら、和歌山駅からタクシーで10分ほどの距離。送迎バスの運行もあるので、アクセスのよさが抜群なのも素晴らしい!

  • 花山温泉「薬師の湯」
  • 和歌山県和歌山市鳴神574
  • 073-471-3277
  • 和歌山駅から車で約10分
  • 日帰入浴料金:大人 1,150円/小人 580円
  • 定休日:木曜(祝日営業)
  • 日帰入浴営業時間:8:00~22:00(最終受付21:00)
  • ホームページ

頓原天然炭酸温泉「ラムネ銀泉」/島根

湧出成分による色の変化を楽しめるのも魅力 image by:島根県観光写真ギャラリー

浴場内の蛇口からもバシャバシャとシュワシュワの炭酸泉が楽しめるのが日帰り温泉施設「頓原天然炭酸温泉 ラムネ銀泉」。

浴槽には、15度の源泉を38〜40度に加温した湯が注がれ、時間とともに無色透明からグリーン、イエローグリーン、イエロー、オレンジへと色を変えていきます。まさに温泉の神秘

どこかノスタルジックな造りの貸切風呂も image by:島根県観光写真ギャラリー

湯は弱酸性で、炭酸水素塩を豊富に含む美肌の湯。メタケイ酸も高濃度で含まれるので、湯上がりはやわらかなツルスベ肌が実感できます。出雲観光の際に立ち寄りたい温泉です。

  • 頓原天然炭酸温泉「ラムネ銀泉」
  • 島根県飯石郡飯南町頓原1070番地
  • 0854‐72‐0880
  • 日帰り入浴料金:大人600円/小中学生300円/幼児無料
  • 貸切風呂利用料金:1時間2,400円 ※要予約
  • 定休日:木曜/年末年始
  • 営業時間:11:00~20:00
  • ホームページ

シュワシュワの天然炭酸泉に浸かれば、湿気と暑さで疲れた身体も瞬時にスッキリとリセット。夏バテ?と感じるその前に、ぜひ天然炭酸泉で身体を労ってあげてくださいね。

  • image by:小林繭
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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東京生まれ、湘南生息中のフリー編集ライター。インテリア、旅モノ、湘南情報を中心にお仕事しています。All About沖縄ガイド。目下、踊れる編集ライター目指し趣味のフラメンコに取り組む日々。趣味は温泉。

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