パン屋はたった1軒。九州最大のパンイベントを行う川崎町の移住計画
気になったので、さっそく担当者の方に話を聞いてみました。
対応してくれたのは福岡県川崎町の観光協会で事務局長をしている山本剛司さん(34歳)です。
ーーこちらでは、地域おこし協力隊を募集しているんですね?
「はい、今回町として初めて地域おこし協力隊3名を募集することになりました。この町も、かつては石炭の炭鉱町として栄えていましたが、時代の流れと共に産業は衰退し、人口も最盛期に比べて、今や半分以下となってしまいました。
ですが、山々に囲まれた美しい自然と里山の風景、豊かな土壌で育てられる農作物、 そして代々受け継がれてきた地域の郷土料理など、この町にはまだまだたくさんの魅力があります。
そんな川崎町の魅力を外に向けて発信し、共に町を盛り上げてくれる方との出会いを期待し、本日やってまいりました」。
ーー『パン』が飾ってありますね。
「実は川崎町では、2012年から『かわさきパン博(ぱく)』と題して、パンをテーマにした町おこしイベントを開催しています。
かつて炭鉱で栄えた時期には、この町にもたくさんの飲食店がありました。ですが、時代の流れと共に、その数は激減、実はパン屋も町内に1軒しかありません。
そんな時代だからこそ、みんなが笑顔になって、食と、人々との交流を楽しめる場所をつくることはできないかと考え、このイベントを続けています。
おかげさまで、来場者も年々増え続け、初回の開催時には5000人だったのが、昨年は2万3000人を数えました」。
ーーパンで町おこしイベントということだったんですね。川崎町のことについて、もっと色々教えていただけますか?
「実は私も川崎町に移住をしてきた人間で、以前は福岡市内で、サラリーマンをしていました。2010年ごろに、川崎町の廃校になった小学校を再生するプロジェクトに関わることになったのですが、それ以来川崎町の魅力にはまってしまいまして。
その後、町が観光協会を設立するとのことで、その準備委員会にも参加することになり、その流れで事務局長にもなってしまったという感じです。
正直、川崎町で働くようになった当時と比べて収入は3分の1くらいに減りましたが、地域の人たちとの温かなつながりと、ここでしかできない仕事をさせてもらっている充実感とで、まさに『生きている実感』を日々感じています。
川崎町はその肥沃な土壌が自慢で、ここで作られる農作物は、みずみずしくて、栄養価もたっぷりで、本当に最高なんです。『パン博』でも地域の野菜をふんだんにつかった総菜パンが人気です。
私と同じように、この土地に魅了されて、東京から移住し、現在は合鴨農法によるコメ作りに励んでいる若手農家さんなんかもいます」。
ーー今回の地域おこし協力隊の募集について教えてください。
「募集をしている3名のうち1名は、私と一緒に観光協会で、町の魅力を体験してもらえるようなイベントやツアーを、一緒に企画・運営してくれる方を探しています。
あとは、川崎町の農産物直売所『De・愛』で地元の農産物を活用した加工品の開発や直売所の売り場づくりなどをしてくれる方、あと1名は地域ブランドデザイナーとして、地域ブランディングのためのデザインや情報発信業務を担ってもらう予定です。
『人口減少』とか『産業の衰退』とか、町としての暗い話も多い昨今ですが、そんな時だからこそ、何事にも明るく前向きにチャレンジしてくれるような方と出会えたら、とてもうれしいです」。
現在川崎町では、地域おこし協力隊員を絶賛募集中です!興味のある方は、ぜひ問い合わせをしてみてください。
- 記事提供:「地域移住計画」
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