走って休める「車中泊」、新たな旅スタイルの気になるマナー

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2018/12/18

旅行に行く際の交通手段は電車、バス、自動車、飛行などさまざま。その中でも、自動車で宿泊もまかなう「車中泊」の旅は、その手軽さから多くの注目を集めています。しかし、夜間駐車の必要がある車中泊は、駐車場所や利用マナーなどの問題も浮上しています。

そこで今回、一般社団法人日本RV協会がはキャンピングカーユーザー・一般的なクルマのユーザーに「クルマ旅のスタイル」についての調査を行ないました。さっそく、ご紹介します。

増加する新しい旅のスタイル「車中泊」


車中泊をしたことがありますか」との質問に対しては、93.4%もの人が経験していることがわかりました。また車中泊に特化した車であるキャンピングカーの所有有無については、15.5%の人が所有していないとの結果が出ています。

このふたつを見てみると、キャンピングカー所有者ではない人も車中泊を経験していることがわかりますね。キャンピングカーユーザーだけでなく、一般的なクルマのユーザーであっても、新しい旅スタイルとして車中泊を楽しむ流れが生まれていると考えられます。


また、車中泊を経験したことのある人にその頻度を聞いたところ、10回以上と答えた方がもっとも多く、全体の50%を占めていることがわかりました。車中泊に対する積極性を強く感じられますね。


また、以前に比べて車中泊の回数が増えたかを聞いてみると、70.3%の方が「はい」と回答しています。やはり車中泊ユーザーは増加傾向にあるようです。

車中泊は6割以上が道の駅で


車中泊ユーザーが増加すると、そのユーザーを受け入れるインフラ整備が求められ、さらにユーザーの望みや行動パターンの予測も必要となってきます。そこで車中泊をしているユーザーが現状の施設をどのように利用しているかの調査を実施しました。

宿泊場所(駐車場所)として選ばれているのは、「道の駅」が最も多く、全体の61.8%を占めています。2位は高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA・PA)が12.9%、3位はキャンプ場(8.8%)、4位RVパーク(7.1%)と続いています。

なお、道の駅はあくまで仮眠程度の休憩が認められた施設ですが、多くのユーザーが道の駅を宿泊場所として捉えていることがわかります。



車中泊の同伴者夫婦が66.3%と圧倒的に多く、車中泊の目的は89.0%が旅行と答えています。

また、車中泊のハイシーズンは秋が46.5%で最多でした。これらの結果から、車中泊ユーザーの最も多い行動パターンは、秋の行楽シーズン夫婦二人旅ということが見えてきます。

ユーザーが求めているのは安全性とトイレ、電源

車中泊での利用場所は道の駅が最も多かくはありましたが、実際に宿泊地として最適な場所を聞いてみると、1位はRVパーク(38.9%)になっています。この結果から、本来ならRVパークに宿泊したいが都合上から道の駅を選んでいるユーザーが多くいることがわかります。


車中泊をするユーザーが宿泊地に求めているものは、安全が35.2%、トイレが28%と上位を占めています。

また、クルマの旅の設備必要なもの、必要でないものを聞いたところ、ベッドが36.6%で1位、次が電源の33.9%と。この3つが最も必要な設備として選ばれています。これらの結果から、ユーザーは安全性とトイレの設備が整った場所と、電源の供給という設備を求めていることがわかります。

ちなみに、現在の車中泊環境が急速に整備されていることは、多くのユーザー(66.8%)が感じているようです。しかし、今後どのような環境を提供していくべきかが課題となりそうですね。

車中泊のマナー、きちんと守れてる?


利用者が増えると、どうしてもさまざまな問題が発生してきます。車中泊をしていて不快感を感じたことがあるか尋ねたところ、72.5%が「はい」と答えています。


不快に感じた原因としては、場所の占拠が45.3%でトップとなりました。そのほかにも、騒音(29.5%)、ゴミ(14.5%)、景観(2.2%)と不快な要因はさまざまあることがわかります。本来なら休憩として使われる道の駅を宿泊場所として使う場合、長時間の駐車、さらに生活ゴミや季節によってはアイドリングの騒音なども考えられます。

しかし、マナー違反のユーザーに声をかけるか尋ねてみると、「いいえ」(97.8%)が圧倒的に多く、注意するのは難しいのが現実です。不要なトラブルを避けるため、または、楽しんでいるために声を掛けづらいということもあるのはないでしょうか。


それでは車中泊の環境を向上させるために必要なものは、一体何なのでしょうか。この問いに対し公共の宿泊施設の増加が41.3%、ルールの明確化が31.5%と上位にあげられました。

ここでのポイントは、啓発活動よりもルールの明確化が上位に来ている点です。はっきりとした使用方法や決まりごとを知りたいと感じている人が多いことがわかります。


最後に、クルマの旅をもっと多くの人に楽しんでほしいですかという問に対して、86.3%の人が「はい」と答えていました。「不快感の排除という形ではなく、改善を求め、クルマの旅の拡大を希望する人が多くいることは、今後の環境形成に大いに期待できる」と、 日本RV協会は見解を述べています。

いずれにしても、受け入れ側ではインフラや環境の整備、そしてユーザー側ではマナーを守ることが大切です。これからもユーザーが増えていきそうな車中泊、自ら体験する際はマナーを守って旅行を楽しみたいですね。

source:@Press!

image by:Andrey Armyagov/Shutterstock

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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