大阪・広島「お好み焼き」戦争に終止符か?その歴史をたどる
水で溶いた小麦粉とキャベツ、好きな具材などを鉄板の上で焼く「お好み焼き」。ふわふわの生地にたっぷりのソース、そしてその上を踊るかつお節の香りは食欲をそそります。
そんな無性に食べたくなるお好み焼きといえば、「大阪」や「広島」が有名ですよね。では、お好み焼きは一体、どこで生まれた食べ物なのでしょうか。そこで今回は、ルーツをたどるお好み焼きの歴史についてご紹介したいと思います。
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お好み焼き発祥の地は大阪?広島?
そもそも、お好み焼きについては、どこが本場という印象がありますか?大阪でしょうか?それとも広島でしょうか?
少し古い情報になりますが、NTTタウンページの「人口10万人当たりの『お好み焼店』登録件数による偏差値の都道府県ランキング(2013年)」によると、人口10万人当たりのお好み焼き店の数でいえば、ナンバーワンは広島県になります。
ただ、広島県のお好み焼きは「広島風」と呼ばれています。当然広島の人は愉快ではない顔をしますが、「風」といわれるには何か理由があるはずです。そもそもの始まりとして、お好み焼きの定義は何なのかを調べていく必要があります。
例えば、岩波書店『広辞苑』を手始めに調べると、
<水で溶いた小麦粉に魚介類・肉・野菜など好みの材料を混ぜて、熱した鉄板の上で思いのままに焼きながら食べる料理>(『広辞苑』より引用)
とあります。この定義ひとつで評価するならば、小麦粉のなかに具材を混ぜて食べる大阪のお好み焼きが本場であって、各種の具材をミルフィーユのように層で重ねていく広島のお好み焼きは、やはり「広島風」という評価になってしまうのかもしれません。
しかし、お好み焼きの定義が必ずしも『広辞苑』の解説ひとつで済むわけでもないはずです。
当然、お好み焼きにも長い歴史があるはずで、その歴史のなかで、お好み焼きはどのような歴史を歩んできたのかを調査しないと、正確な定義もできません。