美味しい台湾においでよ。一青妙さんがおすすめ、思い出の「花蓮」スイーツ

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2018/04/14

2月に大きな地震のあった台湾東部最大の町「花蓮」は、すでに以前と変わらぬ日常を取り戻しています。台北から電車でたった2〜3時間ほどで行ける人気の観光地「花蓮」の魅力を、11歳まで台湾に住んでいた女優・エッセイストの一青妙(ひととたえ)さんがご案内。2回目の今回は、妙さんイチオシ、花蓮の知られざる「絶品スイーツ」について紹介しています。そろそろ台北市内だけの観光に飽きたら、花蓮までスイーツを食べに出かけてみませんか?

 

台湾「花蓮」でスイーツを

あまり知られていないが、花蓮スイーツもレベルが高い。まず甘党向けにおすすめしたいのは、かき氷タピオカのコンビの「包心粉圓」だ。

これも、前回ご紹介したワンタン同様、花蓮市内では「五覇焦糖包心粉圓」と「正宗包心粉圓」という2店が有名で、隣同士に店舗を構えている。どうやら「2店併設の法則が花蓮にはあるようだ。ここでも2店とも行列のできる人気店になっている。

「五覇焦糖包心粉圓」公式Facebookより

粉圓はパールミルクティーに入っているタピオカのこと。通常の2倍くらいの大きさのものに、いろいろな味の餡を包んでいることから包心粉圓と呼ばれている。黒糖や抹茶、花生(ピーナッツ)、桂圓(龍眼、ライチに似た果実)、芋頭(タロイモ)味などがあり、色も茶や紫、抹茶色とさまざまでカラフルだ。

有名なのは、熱々茹でたての包心粉圓をお皿の底に入れ、上からたっぷりの冷たいふわふわのかき氷を乗せ、氷に圧力を加えてギュッと固めドーム状になったところにキャラメルソースと練乳をかけた一品だ。文字でいくら説明しても想像しにくいが、外見はメロンパンで、中を掘っていくと包心粉圓が出てくる。インスタ映えする食べ物で、ぜひ試してほしい。

 

五覇焦糖包心粉圓
住所:花蓮市博愛街165号
Tel:03-832-2929
営業時間:10:30~22:30

正宗包心粉圓
住所:花蓮市博愛街163号
Tel:03-833-3238
営業時間:11:00~23:30

 

喉が渇いたら、スイカジュースの専門店「西瓜大王」も外せない。花蓮は毎年シーズンになると「西瓜節(スイカ祭り)」が開かれるほどスイカで有名だ。砂糖や水を一切加えず、西瓜だけをミキサーにかけ、漉した100パーセントの西瓜ジュースを飲めば、暑さも一気に吹き飛ぶ。

一杯たったの50元(約185円)、2杯でも3杯でもおかわりしたくなる。

 

西瓜大王
住所:花蓮市中山路281号
Tel:03-832-2678
営業時間:10:00~22:00

 

飲み物関連で面白いお店がある。スチール製のパイプから飲料が出ることで有名な「廟口紅茶」だ。なぜパイプを?と思うかも知れないが、お店に行けば納得できる。2階の天井から続くパイプ3本がそれぞれ「杏仁(アーモンド)」「紅茶」「酸梅(いぶした梅)」と表記され、パイプで冷却された飲み物が出てくる仕組みだ。店員がパイプのコックをひねり、ガラスのコップに注いでくれる。これはこれで便利だなあと感心させられる。

人気は店名にもなっている紅茶。甘さが少し強めの台湾の伝統的な味だ。サンドイッチからおやつのマカロン、夕食のチマキとなんでも揃っている。地元の人が半開放式の店内でおしゃべりとお茶を楽しむ姿が羨ましく、自分もその一員になりたくなってしまう。雰囲気抜群のローカル喫茶だ。


 

廟口紅茶
住所:花蓮市成功街216号
Tel:03-832-3846
営業時間:6:00~翌1:00

 

花蓮のお土産としては「剝皮辣椒」「惠比寿餅舗」「麻糬」「洄瀾薯道」の4品をお勧めしたい。

甘いものではないが、「剝皮辣椒」は青唐辛子をしょうゆ漬けにしたものだ。中華風ハラペーニョみたいなイメージかもしれない。私は大の辛党なので、これがあればごはんを何杯でも食べられる。産地としては花蓮県・鳳林鎮のものが有名だが、花蓮市内でも売っている。漬け汁は、炒め物の味付けにちょうどよい。台北でも入手しにくく、瓶詰めなので、まとめ買いもできない。最近、空港でレトルトパックのものを発見したので喜んで大人買いしてしまった。

 

剝皮辣椒(瓶詰め)
価格:140〜180元(520円〜666円)
※現地のスーパーや商店などで入手可能

 

恵比寿餅舗」は日本統治時代の1899年、日本の和菓子を懐かしんだ日本人が開いた店。その日本人と、店を一緒に切り盛りしていた地元の台湾人・張房さんはサツマイモを使った芋まんじゅう花蓮薯」を開発した。

花蓮では「惠比寿餅舗」以外にもさまざまな種類の芋まんじゅうが売られている

これが大人気となり、天皇に献上するお菓子に指定され、その後も、いくつもの賞を獲得している名店だ。

恵比寿餅舗の芋まんじゅう「花蓮薯」

昔からの味を守りながら、現在は3代目が店を継いでいる。素朴な味の芋まんじゅうは誰の口にも合うお菓子だ。

 

恵比須餅舖
住所:花蓮市中華路65号
Tel:03-832-2856
営業時間:8:30~22:00

 

花蓮駅前に並ぶ土産屋で必ず売られている花蓮名物は「麻糬」。台湾語でモォワチー」と発音する日本のお餅の発音からきていて味もよく似ている。大福のように、手作りでアンコやいちご、ピーナッツなどを優しく包みこみ、いろいろな種類がある。列車に乗り込む前に買えるのが便利だ。

洄瀾薯道」もサツマイモを使ったお菓子屋さんだが、惠比寿餅舗より台湾のローカル的なお菓子を作っている。

黑糖蜜蕃薯、「洄瀾薯道」公式HPより

一押しは「黑糖蜜蕃薯」。黒砂糖で煮込んだサツマイモで、しっとりとした干し芋のような食感だ。歯にくっつきやすいのが難点だけれども、一つでお腹が一杯になる。10本入りで220元(814円)。

 

洄瀾薯道
住所:花蓮市中華路11号
Tel:03-833-8899
営業時間:9:00~22:30

 

新幹線のような便利な交通網は西側しか通っていないため、花蓮へ足を伸ばすのは、ややハードルが高いかもしれない。それでも、飛行機台北から日に2往復運行されていて、所要時間は約40分で行ける。タロコ号などの特急列車を使えば約2時間、バスと特急の組み合わせでも花蓮に行ける。

食い倒れの花蓮の旅、ぜひ一度お出かけください。

 

写真提供/一青妙

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エッセイスト・女優・歯科医。台湾人の父と、日本人の母との間に生まれ、幼少期は台湾で暮らした。現在、台南市親善大使や石川県中能登町観光大使に任命され、日台の架け橋となる文化交流活動に力を入れる。家族や台湾をテーマにエッセイを執筆し、著書の『私の箱子(シャンズ)』『ママ、ごはんまだ?』(共に講談社)を原作にした日台合作映画『ママ、ごはんまだ?』がある。趣味はサイクリング。最新作は、台湾一周を自転車で走った体験記『環島 ぐるっと台湾一周の旅』(東洋経済新報社)。今回の連載で取り上げる花蓮に関する詳しい内容は『わたしの台湾・東海岸「もう一つの台湾」をめぐる旅』(新潮社)に記載されている。

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