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お正月の飲み物「大福茶」/関西地方
次は縁起のいい飲み物を紹介します。関西を中心に親しまれている正月の飲み物、「大福茶(おおぶくちゃ)」ですね。
「だいふくちゃ」「だいぶくちゃ」という読みも一部に間違っていないと『大辞泉』(小学館)や『飲み物がわかる事典』(講談社)に記されていますが、正確には「おおぶくちゃ」。
無病息災を祈る験担ぎの役割を果たしていて、お茶に結び昆布、梅干しを入れた、いかにも健康的な緑茶になります。その季節性の強さから、新年の季語にもなっているほど。
もちろん、大福茶に入る昆布は「喜ぶ」を意味する縁起物になります。子孫繁栄の意味もありますよね。梅も春に一番に花を咲かせる植物のため、昔から縁起物として扱われてきました。
大福茶の由来は諸説あって、天皇(王)が元旦に服するお茶として「王服茶」といわれ、そのお茶が次第に庶民の間で、大きな福をもたらすお茶、大福茶として親しまれ始めたという説がひとつ。
一方で『日本大百科全書』(小学館)によれば、茶をたくさんたてるという意味を持った「大服」が、めでたい意味を持つ「大福」に変わったという説も紹介されています。
大福茶は同じ正月の縁起物で、東日本では一般的に年男が、西日本では男女関係なく家の主人が、元旦に(井戸から)くむ水(若水)でたてます。
若水自体も神聖なため、神様に備えたり、口を清めるために使ったりと重宝されています。この若水でたて、心穏やかにいただくお茶と考えると、飲めばすごくいい1年になりそうですね。
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