フランス、実は関西説。海外で通じない日本の常識

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2020/02/19

本場では通じないのに、なぜ「タピオカ」と呼ぶの?

image by:Kit Leong / Shutterstock.com

知人の台湾人ジャーナリストによれば、発祥の地といわれる台湾で、タピオカボールを入れてシェイクしたミルクティー(bubble drink)を現地の言葉で正式にいうと、「珍珠ナイ(女偏に乃)茶 (zhenzhu naicha)」だとか、「波霸ナイ(女偏に乃)茶(boba naicha)」と呼ぶそう。

珍珠の意味は「真珠」、波霸の意味は「大きな胸」です。

珍珠はタピオカボールの直径が小さいタイプで、後者はタピオカボールが大きいタイプを意味します。どのサイズのタピオカボールを入れるかで、呼び方が変わってくるのですね。

カクテルシェーカーにタピオカボールを入れてシェイクするミルクティーのレシピが英語圏に広まると、英訳が行われます。広まった背景として、米ライス大学によると、1990年代に中華系の移民が北米などに移住するとともに、現地でこの飲み物を売りに出したからだといいます。

image by:Filippo Carlot / Shutterstock.com

しかし、中国語流の発音を北米の人ができなかったため、「波霸ナイ茶(boba naicha)」の中から発音のしやすい「boba」の部分だけを取ったり、珍珠ナイ茶を「Pearl milk tea」と英訳で呼んだり、さらには泡を見てバブルドリンクなどと呼んだりしたのですね。

一方の日本は、ミルクティー入りの飲み物が大ヒットする前に、当時人気だったエスニック料理(タイ料理)のデザートとして、タピオカ(ボール入りの)ココナッツミルクが1992(平成4)年前後にヒットしています。

すでにこうした下地があった(スイーツに使われる弾力性のある球状の食べ物=タピオカと呼ぶという習慣があった)ために、2008年、2018年と立て続けにブームを起こした台湾発祥の波霸ナイ茶、珍珠ナイ茶「パールミルクティー」だとか「ボバミルクティー」と呼ばずに、タピオカミルクティーと呼んだのかもしれませんね。

日本では当たり前でも海外では通じない呼び方

image by:Hanaa Ghobrial / Shutterstock.com

サーティーワンアイスクリームやマクドナルド、タピオカドリンクの他にも、海外では通じない呼び方はまだまだたくさんあります。

例えば、日本でもおなじみの「GODIVA(ゴディバ)」。ベルギーで創業し、いまでは全世界で親しまれているチョコレートメーカーですが、実は英語圏ではゴディバではなく「ゴダイバ(ゴダイヴァ)」といいます。


もともとゴディバの名称の由来は、11世紀のイングランドに実在した英国伯レオフリックの妻、ゴダイヴァ夫人から名付けられたとされています。

アルファベットの読み方の違いではありますが、少なくとも英語圏では「ゴダイヴァ」と呼ばれることもあるのですね。

海外で意外と通じない呼び名

  • コーラ(COLA)→コーク
  • コストコ(COSTCO)→コスコカスコ
  • ミロ(MILO)→マイロ
  • ニコン(Nikon)→ナイコン
  • ポルシェ(Porsche)→ポーシュポーチ
  • マツダ(MAZDA)→マズダ

上記は一例ですが、このように日本では当たり前のように使っている名称でも海外では通じないこともたくさんあります。

もちろん呼び方は国によってそれぞれ。国や地域によって違う呼び方を知るのも、海外旅行の醍醐味のひとつでもあります。

みなさんも海外へ旅行したとき、または外国人の友人と交流する際は現地で親しまれている名称を使って話してみると異文化交流がもっと楽しくなるかもしれませんよ。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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