「お子さまランチ」発祥の地はどこ?意外と知らない身近な食べ物の由来・歴史
食べ放題のことをなぜ「バイキング」と呼ぶ?
過去にTRiP EDiTORの記事で「バイキング発祥の地・帝国ホテルで楽しむ4日間限定の贅沢ブッフェ」を公開しました。この記事でも書かれている通り、バイキングの発祥の地は、帝国ホテル(東京都)です。
<バイキングという名の海賊料理は、北欧の国々には存在しない>(『たべもの起源事典』より引用)
という記述もあるくらい、北欧のバイキングには直接的に関係のないネーミングです。
どう頑張って語源を探っても、バイキングからビュッフェスタイルの料理には行きつきません。この海賊と料理の間には、どんな関係があるのでしょうか。
歴史は次のようになっています。かつて帝国ホテルの社長であり総支配人であった故・犬丸徹三さんが、サンフランシスコにあるレストランで、北欧の伝統料理スモーガスボードと出合います。スモーガスボードとは、
<スウェーデン、デンマークなど北欧の料理で、テーブルに数多くの料理を並べ、各自でとって食べるもの>(講談社『和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について』より引用)
とあるように、魚や肉の料理、サラダ、飲み物などを何種類もテーブルの上に置いて、めいめいが自由にとって食べる食事スタイルですね。
この料理システムを、1958(昭和33)年に帝国ホテルの新館オープンにあわせて犬丸さんが導入します。
ネーミングについては、当時上映されていた北欧の海賊映画『バイキング』で、海賊が豪快に飲み食いする劇中のシーンからヒントを得たのだとか。
TRiP EDiTORの過去記事によれば、
<開店したレストランは昼1,200円、夜1,500円と、当時の宿泊料金と変わらないものだったにも関わらず、「待ってでも食べたい」と、行列ができるほどの盛況ぶりだった>
との話。結果として日本では、食べ放題=バイキングという認識が広まっていったのですね。