コロナ疲れを癒す温泉×リゾート。混浴もある栃木県「川治温泉」
関東の一番北に位置する栃木県は、温泉ファンにとってはバラエティに富んだ泉質を楽しめる魅力の地。しかし首都圏から気軽に行ける近場の温泉地としては箱根や伊豆の人気に押され、ちょっと印象が薄くなりがちな存在です。
そこで今回はコロナ疲れにあるみなさんへ向けて、首都圏から気軽に行ける栃木県の“温泉リゾート滞在”をご提案。静かにゆったりと過ごせる「星野リゾート 界 川治」をメインにご紹介しましょう。
塩原や奥鬼怒など個性派の影に隠れていますが、川治温泉はその泉質のよさや環境のよさから地元民から熱い支持を集める温泉なんですよ!さらに近隣の共同温泉では、混浴を楽しむことができるのです。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
東京から2時間半。古き良き時代の面影が残る美肌の湯
川治温泉は鬼怒川の支流である男鹿川の渓流沿いに広がる温泉郷です。地図で見ると鬼怒川温泉のちょっと北に位置し、さらに北上すると西に湯西川温泉、東に塩原温泉があるちょうど真ん中あたり。
開湯は江戸時代の1723(享保8)年で、「火傷は滝(鬼怒川)、傷は川治」と、昔から傷に効く湯としてよく知られ、西会津街道の宿場町として、また湯治場として栄えた温泉場です。19世紀のイギリスの旅行家、イザベラ・バード著『日本奥地紀行』にも、当時の様子が記されています。
現在は鉄道ファンにはその名をよく知られるであろう野岩鉄道が通っていて、都内からはたった2時間半の距離。駅から10分ほど歩くと温泉宿が軒を連ねる温泉街が開けます。
温泉街といっても、射的や土産物屋が並ぶ横丁も飲み屋が提灯をぶら下げる一角があるわけでもなく、緑豊かな渓流沿いに宿屋が並ぶ、温泉郷の原風景。温泉と自然時間を目当てにやってくる旅人にとって、これ以上のもてなしはありません。
リゾート感あふれる温泉宿で、ちょっと優雅にリラックス
風情あふれる水車小屋の風景が旅人を迎え入れる「星野リゾート 界 川治」。山と渓流に挟まれ、古くから四季の移り変わりとともに暮らした川治の里山暮らしのエッセンスをおもてなしに散りばめた温泉旅館です。
リラックスとリフレッシュ目当てに訪れたのなら、時計の存在は忘れ、ゆるりと里山に流れる時間に身をまかせてしまうのが正解!
渓谷を眺めるラウンジやライブラリースペースなど、自由に使える贅沢な空間が充実するのがこの宿の魅力のひとつです。
緑あふれる庭先には足湯もあり、自然に囲まれて一休みする心地よさを堪能できます。温泉をメインにしつつも、温泉以外のもてなしが色々用意されていると、がぜんワクワク度が高まりますね。
個人的にとても気に入ったのが、生活道具類がさり気なくディスプレイされ、まるで民芸館を訪れたようなロビーラウンジの空間。
古民家の土間を再現した「里山工房」には、ワラや瓶に入った穀類が並び、なんとも美しい佇まいの箒や生活道具がずらり。古道具や暮らしの道具好きにはたまらないコーナーです。
またラウンジ全体を灯すひょうたんランプの細工の美しさにも思わずうっとり。ギャラリーショップでは、栃木県の名産品である益子焼の器をはじめ、結城紬や烏山和紙などの手仕事の品々が並びます。
ちなみに里山工房では、この地方の伝統工芸である「烏山和紙の手漉き」や、大豆を砕いてきな粉を作る「手挽きの石臼」を体験できるので、昔の里山暮らしを垣間見るのもおすすめです。