まさかの泊まれる登録文化財!長野・渋温泉の「金具屋」でタイムトリップ
斬新でモダンな匠の技、昭和初期の建築デザインを堪能しよう!
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実際に宿泊して内部を見てみると、さまざまな発見があります。いくつかを紹介すると、まずチェックイン時に驚かされるのが1階のロビーの奥に続く廊下のデザイン。廊下というよりも参道か何かのようで、室内に街の一角を再現しているようにも見えます。
まるで迷路のようになっている館内は、増築に増築を重ねたという建物にありがちなものですが、これがまたいい意味で内装のディティールとうまい具合にマッチし、どこか異空間に迷いこんでしまったように感じる不思議な空間を生み出しているのです。
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ちょっとしたテーマパークと思ってもいいかもしれません。客室の入り口がまるで一軒家の玄関のような形になっていたり、階段の踊り場に富士山をかたち取った窓が配されていたり。
使われなくなった水車の歯型を壁や床に埋め込んで装飾に使うなど、アップサイクル的な装飾もあり、当時の職人さんたちの時代の先取り感覚に感心せずにはいられません。
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「斉月楼」の最上階にある130畳の大広間も圧巻です。なんと130畳もの座敷の中には柱が一本もなく、空間を埋め尽くす格天井の美しさにも目を奪われます。
現在、ここは食事処として使用されていますが、歌舞伎や演劇が上演できるように大きな舞台もあり、6第目館主のエンターティンメント性を意識した趣向や時代の先を読む感覚がよく伺えます。
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面白いのが「歴史の宿金具屋」は宮大工さんが手がけた建築物ではありますが、ここに見られる匠の技は、日本の伝統文化の形式美を表現したものではなく、庶民の感覚での遊び心が具現化されていること。
いまの感覚で言えば、ある意味昭和初期に起きたポップカルチャー的ムーブメントともいえる類のものではないかと思います。
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稀有な建築物であることに間違いはありませんが、ちょっと視点を変えて見ると新たな発見が潜んでいる、実に奥深い魅力にあふれた文化財であることがわかりますね。
ちなみに宿の歴史や建築にまつわる詳細や逸話は宿主催の無料ツアー「金具屋文化財巡り」で、9代目の西山和樹さんより聞くことができるので、宿泊される際にはぜひ参加してみてくださいね。