厚底ブーツは16世紀にも大流行?リバイバルされてきた「ファッション」の歴史

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2023/05/20

現代のファッションにつながる「ホブルスカート」

「ホブルスカート」image by:Uncredited., Public domain, via Wikimedia Commons

最後は、1910年代に流行したファッションを紹介します。いまから100年ちょっと前、一風変わったスカートが流行しました。

ホブルスカート」と呼ばれるスカートで、英語で書くと「hobble skirt」です。現在の「ペンシルスカート」の前身とされています。

しかし、鉛筆のように細長いシルエットが特徴的なペンシルスカートも、ひざ丈が多く、ひざ丈を超える場合はスリットが入っているはずです。その理由は、歩けなくなるからですね。

「ペンシルスカート」image by:FashionStock.com/Shutterstock.com

このホブルスカートは、この歩けなくなるスカートのデザインを地で行った、足首まで細く絞ったタイトなロングスカートです。

「hobble」とは「足を引きずって歩く、よたよたと歩く」を意味する言葉で、ホブルスカートを履くと文字どおり、たどたどしくしか歩けなくなります。

ブリタニカ国際大百科事典によると、この不自由にしか歩けないちょこちょこ歩きが、なまめかしいとして男性に評価された傾向もあるそう。

『VOGUE』の記事によると、このホブルスカートを履く女性のために、ニューヨークやロサンゼルスの路面電車は、ホブルスカート着用者向けの優先車両を用意までしたみたいです。

ホブルスカートが破れないように、脚の動きを制限するコルセットも存在しました。

しかし一方で、その歩きづらそうな姿を笑う人たちも同時からいて、流行が過ぎ去ると一瞬で動きやすい丈のスカートが街に戻ってきたみたいですね。


image by:Drawing, Public domain, via Wikimedia Commons

そもそもどうしてこのような動きづらいファッションが生まれたのでしょうか。その背景には、アメリカ人女性として初めて航空機に乗った人の影響があったそうです。

飛行中にスカートが膨らんで困らないように、ロングスカートの生地の上から足首あたりをロープで縛ったところから、ホブルスカートが生まれたとの話。当時の絵ハガキには「スピードリミットスカート」とも書かれています。

ではこの先、どのようなファッションが流行していくのでしょうか。

いずれにせよ、何らかのファッションが流行しても、その特徴的な部分が競って強調され始めたころに、そのトレンドは終わりを迎え始めていると、歴史は教えてくれます。トレンドに乗る人も乗らない人も、ひとつの目安にできたらいいですね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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