中国の「監視社会」がこんなところにも…日本人が思わず驚く中国の当たり前

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2023/12/16

国内に、非公式の時差があった

image by:Shutterstock.com

世界地図が手元にある場合は、日本と中国の位置をあらためて確かめてみてください。

経度140度を中心に横たわる日本と異なり中国の場合は、東部海岸沿いの経度120度辺りから、新疆ウイグル自治区の西端の経度75度くらいまで、東西に国土が大きく広がっています。

その広さは、日本の国土の約26倍です。

image by:Googleマップのスクリーンショット

もともと、1912(明治45/大正1)年に清朝から中華共和国になったころは、5つのタイムゾーン(時間帯)を国土に設定していました。

しかし、1949年に中国共産党による中華人民共和国が誕生すると、建国者の毛沢東は国内のタイムゾーンを1つにまとめます。その背景には、時間の統一を通じて、国家の統一を強化したかった思いがあったそう。

とはいえ現実的に、北京や上海といった東部海岸沿いの大都市と、はるか西の内陸部、インドのデリーと同程度の経度に位置する新疆ウイグル自治区の人たちが同じタイムゾーンで生活しようと思っても無理が生じます。

そこで非公式ながら、新疆時間(しんきょうじかん)という時差が設けられ、新疆ウイグル自治区で暮らす漢族以外の少数民族の人たち(ウイグル族)に、2時間遅れで生活する習慣が生まれたのです。

いまでこそ見かけなくなったと朝日新聞の記事に書かれていますが、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチには新疆時間を示す時計が、ホテルや公園などの街中に当たり前にかつては見られたといいます。

この他にもまだまだ、中国に関する驚きの文化や伝統はたくさんあります。


ニュースなどで中国の話題を見聞きしたとき、異なる社会の成り立ちや常識にも関心を向けてみると、何気なく入ってきたニュースがより深く理解できるかもしれません。ぜひ、読者の皆さんもいろいろ調べてみてくださいね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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