江戸時代へタイムトリップ。歴史あふれる名古屋「徳川園」で自然を満喫
現代に名を残す数々の戦国武将の出生地として知られる愛知県。県内にはたくさんの歴史的な名所や武将とゆかりのある場所が残されています。そのなかでも歴史・日本文化好きに人気が高いのが「徳川園」です。
「徳川園」は、名古屋市にある大きな日本庭園で「徳川美術館」や、あの『源氏物語』を貯蔵する「名古屋市蓬左文庫」などと隣接しています。今回は、紅葉の名所としても知られ、お散歩をしながら楽しめる同所の魅力をご紹介していきましょう。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
「徳川園」とは?
名古屋市の中心部から少し東へ行った名古屋市東区徳川町に位置している「徳川園」。その名の通り、尾張徳川家の邸宅跡に造られた広大な日本庭園です。
もともとこの場所にあった邸宅は空襲で焼かれてしまい、普通の公園として整備されていました。その後、2005年に日本庭園として整備され、四季の移ろいを感じられるとても美しい日本庭園となっています。
整備されたのは比較的近年ではありますが、江戸時代に形成された池泉回遊式の日本庭園と同じ造りをしており、大きな池を中心に尾張地方の自然美が表現されています。
また、空襲で被害を受けなかったいくつもの建造物がそのまま残されているので、美しく整備されたなかにもしっかり古き良き雰囲気を感じられます。
自然あふれる庭園をお散歩!
「徳川園」は、名古屋市の中心にありながらも約4万5,000平方メートルの大きさを誇り、園内は自然で満たされた空間です。都会の喧騒とはかけ離れた、静かで優美な時間が流れています。広い園内、屋外という環境は新型コロナウイルス感染予防の観点からもバッチリですね。
隅々まで手入れの行き届いた日本庭園は写真写りも素晴らしく、晴れた日には結婚式の前撮り撮影なども行われています。
園の中心は「龍仙湖」
庭園の中心にあるのは「龍仙湖(りゅうせんこ)」。地下水源を使用した大きな池は、愛知県にある日間賀島(ひまかじま)、佐久島(さくしま)、篠島(しのじま)の愛知三島を眺める景色がモチーフとなっています。
池の中には3つの島に見立てられた小さな島が浮かんでおり、隅々まで手入れが施されていることが分かります。
3つの島以外にも池にはたくさんの島が浮かんでいますが、そのなかでも注目したいのが「鶴」と「亀」の形に整えられた島です。亀の背に鶴が舞い降りたようすが表現されており、なんだかとても縁起の良い雰囲気。愛知県のパワースポットとして有名になる日も近いかもしれませんね。
龍仙湖に浮かぶ茶室
大きな龍仙湖を一望するのにぴったりな場所が、浮かぶように建てられた茶室「瑞龍亭(ずいりゅうてい)」です。
小さな茶室は織田信長の実弟で茶人であった織田長益、別名・織田有楽斎(おだ・うらくさい)が好んだ様式で建てられています。織田有楽斎はあの千利休から茶道を学んだといわれており、利休の弟子たちの利休十哲にも数えられます。
現在でもイベント時に茶室として使用されており、お茶を点てる人の姿が見られることも。タイミングが合えば、立ち寄ったかたにお茶が振る舞われることもあります。景観が素晴らしい茶室で一服なんて憧れますね。普段は一休みするのにぴったりの場所です。