日本の最南端は東京都。都民の大半が知らない「東洋のガラパゴス」
東京都なのに亜熱帯。天然記念物の宝庫の小笠原って?
東京から南に約1000km。太平洋に浮かぶ小笠原諸島は、火山の噴火から生まれた約30の島々からなる海洋諸島(一度も大陸とつながったことのない島のこと)です。
人が住んでいるのは父島と母島の2島だけで(硫黄島と南鳥島には自衛隊関連の施設がありますが)、他には兄島・弟島・姉島・聟島などまるで大家族のような名前の島々が並ぶのがユニークです。
地図で見てみるとほとんどミクロネシアの方が近いことがわかり、ここを東京都と呼ぶことには正直違和感を感じるかもしれません。
父島の緯度は沖縄の那覇とほぼ同じで、亜熱帯気候に属します。まわりに大きな大陸もなく、太平洋の大海原にぽつりぽつりと点在する小笠原諸島の島々は、それぞれがまさに絶海の孤島そのもの。
ちなみに父島から最南端の沖ノ鳥島までの距離は約1000km。最東端の南鳥島にいたっては熱帯気候に属す(東京都なのに!?)と聞けば、小笠原の島々がどれだけポッツリと浮かんでいるのか想像できると思います。
この絶海の孤島において、生物が生き延びていくためには独自の進化を遂げるしかなく、長い歳月の間に小笠原が固有種の宝庫となったのは自然界の摂理というものでしょう。
特別天然記念物のハハジマメグロやアカガシラカラスバトなどの鳥類をはじめ、哺乳類ではオガサワラオオコウモリ、オガサワライトトンボなどの昆虫、陸産貝類(カタツムリのこと!)にいたっては94%が固有種とされ、“東洋のガラパゴス”の異名にも思わず納得です。
次は、「BONIN ISLAND」と呼ばれた島の歴史に迫ります。
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