このままブームは終息?仕掛け人が語る「ふるさと納税の未来」

TRiP EDiTOR編集部
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2017/08/14

今や誰もが知る「ふるさと納税」ですが、このブームの火付け役となったのが今回ご紹介する「トラストバンク」という企業。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。地域の雇用と「やりがい」も生み出しているふるさと納税ですが、総務省から「返礼品の還元率は3割まで」という通達が出たこともあり、今後はブームが終息する可能性も。ふるさと納税の仕掛け人である同社社長は、そのような動向をどう捉えているのでしょうか?

地方も寄付者も潤う~話題のふるさと納税とは?

 

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東京・江東区の四宮さん一家に宅急便が届いた。届いたのは北海道産のイクラのしょうゆ漬け。高級料亭でも使われているという極上「イクラ6パックのセット」(5160円)。さらに北海道産の牛乳で作った「アイスクリームと生チョコのセット」(5592円)も。合わせて1万円相当の商品だが、四宮さんは実質2000円で手に入れたと言う。

これらは北海道釧路市にふるさと納税をしたことに対しての返礼品だった。四宮さんはふるさとの釧路市に4万円を寄付し、この返礼品を受け取った。

ふるさと納税」という名前だが、自分の出身地に限らず、どこにでも寄付は可能だ。その返礼品には日本中の名産品が並ぶ。例えば静岡県焼津市。焼津といえば全国でも屈指のマグロ基地。ミナミマグロの水揚げは日本一だ。これがふるさと納税の返礼品として大人気。1万円の寄付で天然ミナミマグロの赤身と中トロ、それぞれ180グラムのセットが届く。他にも寄付金額に応じて大トロの入った定期便など、マグロだけで170セット以上がスタンバイ。50万円寄付すればマグロ丸々1本、なんてものまであった。

ふるさと納税からスポットの当たった名産品もある。岡山県吉備中央町は自然豊かで水がきれいな美味しい米の産地だ。この町の返礼品はコシヒカリ。寄付金1万円につき20キロ、3万円なら60キロが届く。

ふるさと納税でここの米が人気になり作付けを増やした農家も出ている。農業組合法人大明神組合の小柳惠一さんは「あれがなかったら米作りをやめる農家はかなりあったと思います」と言う。ふるさと納税の返礼品需要が生産者を元気づけているのだ。

ふるさと納税の仕組は、まず、気に入った自治体を選んで寄付すると、その町から返礼品が送られてくる。さらに寄付した金額分が翌年の住民税などで控除される。例えば5万円寄付した場合、手数料にあたる2000円を引いた4万8000円が控除(控除額は収入によって上限がある)。つまり、翌年払う住民税などが4万8000円安くなるというわけだ。

何カ所に何回寄付してもその年に負担するのは2000円だけ。つまり、実質2000円で何個もの返礼品を受け取ることができる。2008年に始まったふるさと納税はこの2年で寄付が急増。2016年度は2700億円に達すると予想されている。


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