日本の若者が住みたい田舎ランキング、なぜ1位に大分県臼杵市?
【小さなまち 若者世代部門】第1位は大分県臼杵市
大分県臼杵市は、他の部門でも上位にランクインしています(総合部門3位、子育て世代部門3位、シニア世代部門2位)。
そんな臼杵市は、気候、海山などの自然、伝統文化、利便性、新鮮な魚介類や有機農業などの食、様々な要素の「豊かさ」が詰まっているまちです。それに加え、行政の移住支援も手厚いことから、見事、若者世代部門で1位を獲得しています。
実は、臼杵市が移住・定住対策「うすき暮らし」の推進に力を入れ始めたのは2014年と最近のことだそうです。今後30年で人口がほぼ半減するという推計を受け、未来の臼杵を担う「人財」確保に乗り出しました。空き家バンクへの物件登録の推進、移住奨励金など各種補助金、「臼杵おためしハウス」をスタート、さらに子育て世代に向けて相談窓口「ちあぽーと」を開設、2017年6月から「定住支援員」を配置するなど、行政側の施策がスピード感をもって充実が図られている印象です。
これら「移住支援の手厚さ」が各部門上位を獲得する結果となったのではないでしょうか。
【小さなまち 子育て世代部門】第1位は茨城県常陸太田市
本ランキングでは突如、北関東からランクインした印象がありますが、じつは子育て支援の手厚さで知られていた市。全国の自治体が子育て支援に力を入れる中、上位を獲得したのは、「子育て上手」を掲げる同市のきめ細やかな支援策が人気の秘訣のようです。
常陸太田市は、東京都の上野駅から特急など電車で1時間40分の距離にある比較的都会に近いまち。この点は【総合部門】1位の山梨県北杜市と似ていますね。加えて、近隣の水戸市、日立市などがあり、市内でも市外でも働きに出やすい立地条件が魅力のひとつです。
キャッチフレーズ「子育て上手」のもと、行政の手厚い子育て支援を受けることができます。具体的には、新婚家庭家賃制度、保育料を1人目から半額、おむつ代プレゼント、午後10時までの子供夜間診療などなど。この成果はてきめんで、6年前にうまれた子供の数約240人よりも、小学校入学児童数は約300人と、約60人も多い!このペースが8年前から続いているというから驚きです。
東京から近い立地に加えて、子育てに対する不安を和らげて安心できるような行政の支援が重要なカギとなっているようです。
【小さなまち シニア世代部門】 第1位は長野県辰野町
今まで見てきた自治体は補助金など行政の手厚い支援が目立ちました。しかし、こちらのランキングで第1位を獲得した長野県辰野町は、高額な助成金はないけれど、「草の根的移住支援」で移住前から友達ができるような、まちの人たちのスキルとマンパワーがあります。そして、豊かな水と山、自然に囲まれながら、田舎暮らしが存分に楽しめるという、人と環境が最大の魅力のようです。
たとえば、草の根的な移住支援として「オーダーメイドたつの暮らし体験ツアー」が実施されています。「あらゆるヒト・モノ・コトをワンストップでつなぐ」を合言葉に、会いたい人や行きたい場所、見たい物件など、すべてオーダーメイドで組み合わせることができます。この体験ツアーへの協力者は、職業や肩書をこえて友人のように接してくれるようなまちの人ばかりだそうです。人のあたたかさが魅力的ですね。
また、健康的な生活のサポートもあります。生活習慣予防教室や検診の結果説明会など、シニア世代にとって健康的に過ごせるのは大切なことですね。
人と自然が魅力的な辰野町なら、やりたいことを思いっきり楽しむことができそうです。