物価は高いが旅行者には優しい。スイス屈指の文化都市・バーゼルを行く
紙の歴史が学べる博物館へ行き当たりばったりの観光
前回の訪問から、スイス滞在を楽しむにはお金を使わないのが一番だとわかっていましたが、折角なのでひとつだけ観光しようと、中心部の外れにある「製紙印刷博物館」へ足を延ばしました。奇しくも、博物館付近の川べりに渡し船のスポットがあったので、もらったタダ券を使って対岸から船で行けば、完璧な観光プランです。
氷点下近い気温のなかライン川沿いの遊歩道を15分ほど歩き、目当ての船着き場に辿り着きました。しかし、乗り場に人影はなく、それらしき船は対岸に繋がれています。渡し船、明らかにお休みです!(笑)
途中通り過ぎた船着き場もひっそりしていたので、もしやとは思いましたが、時間を持て余していたので、とりあえず散歩がてら行ってみたところ、やはりハズレだったというわけ。ドイツ語で書かれた乗り場の案内を見ると、とりあえず休業シーズンではないようです。後で調べてわかったことに、冬季の平日は、好天で水位の高くない日のみ運航するのだそうです。
ともあれ、もと来た道を10分戻り、橋を渡ってからまた10分歩き、博物館に到着です(ほんとヒマ人)。
入場券を売っている博物館のショップには、ここで作られた手すき紙の製品が所狭しと並んでいました。性懲りもなく何か買えそうなものはないかと店内をうろうろします。
すべて手作りですから高くて当然なのですが、気に入ったレターセットも5000円を超える代物だったので断念。でも、何も買わなくて大丈夫でした。博物館の中にお手軽な体験コーナーがいくつかあり、自作品をお土産に持ち帰ることができたのです。
ほとんど職員さんにやってもらった手すき紙と、名前や短い言葉を版組して印刷した紙、そして、イタリア・フィレンツェのイル・パピーロで有名なマーブル紙と同じ原理で作った模様紙の3点です。これ以上、何を望みましょうや。
行き当たりばったりの割には大変充実した午後になりました。
夕食時には空港に戻りましたが、ゲート付近の売店がこれまたびっくり価格。500円近くする一番安いミネラルウォーターを買い、先のプリングルスの残りを平らげて夕食と代えました。
ただ、他人がいるところで、ロング缶のプリングルスを一人で食べるというのは、なかなかに気まずいものです。今度またスイスに出張することがあれば、ショート缶を2個、オランダのスーパーで買っていこうと思います。
バーゼル製紙印刷博物館
(Basler Papiermühle)
St. Alban-Tal 37, 4052 Basel
プロフィール:あめでお
オランダ・アイントホーフェン郊外在住。現地企業勤務を経て独立し、蘭英日の翻訳・通訳業を営む。現在、無料メルマガ「出たっきり邦人【欧州編】」のライターとして、『ミナミも、ええよ。』を連載中。
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