長崎にもあるランタンフェスティバル。今も残る中国文化を辿ってみた
唐人から伝来された「長崎くんち」には欠かせない長崎刺繍
長崎には唐人から伝えられた「長崎刺繍」という服飾技術の文化が継承されています。この「長崎刺繍」はビードロを組み合わせたり、細い生糸をより合わせ糸の太さを変えたり、生地と糸の間に綿を詰めて立体的に刺繍をすることが特徴の一つなのですが、この「長崎刺繍」は長崎市民が毎年楽しみにしている秋の祭り「長崎くんち」には欠かせない品なのです。
「長崎くんち」の踊り町には付き物の「傘鉾(かさほこ)」。踊り町の先頭に立って踊り町のアピールとお知らをする大切な役割を持っているのですが、この「傘鉾」の垂れの刺繍や踊り町の衣装の一部は「長崎刺繍」で仕上げられているのです。
「長崎歴史文化博物館」に「長崎くんち」の期間限定で特別展示されていた桶屋町の「十二支」の傘鉾の垂れには、龍や桃を持った猿、虎が描かれ、それらの表情からは中国伝来の下絵の構図だというのが分かります。ちなみにこの垂れは1772年製で長崎市指定有形文化財となっています。
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