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外国人が溺愛する「ニンジャ」文化、日本人はちゃんと説明できる?

坂本 正敬
坂本 正敬
2018/12/12

素朴な疑問その3:なんで侍は腹を切るの?

image by: Marzolino / Shutterstock.com

次は世界的にも有名な「harakiri」について。手元の英英辞典『MACMILLLAN English DICTIONARY』を調べると、

<In Japan, a traditional method of killing yourself by cutting your stomach open with a knife or sword>(上述の英英辞典より引用)

とあります。「日本における伝統的な自死の方法で、自らの腹を切り開くために小刀や刀を使う」といった感じの説明が書かれています。もはや英英辞典に掲載されるほど、世界的に認知された言葉になっているのですね。しかし、何で侍が腹を切るのか、いつごろから侍は腹を切るようになったのか、簡潔に外国人旅行者に答えられる日本人は意外に少ないはず。

最初の理解として、侍(武士)がいつの時代も進んで切腹をしていたという発想は、どうやら間違っているみたいですね。

<切腹という思想と行為が、無用なほどに流行して武士道に密着したのは、江戸期のことである>(司馬遼太郎『翔ぶが如く』より引用)

と司馬遼太郎が著書の中で説明しているように、切腹は江戸時代の侍に特に流行した行為なのだとか。その理由としては、江戸時代になって武士としての生きざまを表現する合戦の場がなくなり、切腹だけが武士的な気概と美学を表現する手段になっていったからなのだとか。

もちろん、切腹という行為は江戸時代以前にもあり、東国武士の風習からスタートして、鎌倉時代、室町時代と盛んに行われています。しかし、武士道の1つとして腹切りが極端に美化され、侍のみに許された特殊な刑罰として執行された時代は、江戸期なのですね。

ちなみになぜ、腹を切るのでしょうか。『武士道』を書いた新渡戸稲造によれば、腹切りとは武士にだけ許された名誉ある行為で、死を持って責任を果たす、あるいは自らの潔さと度胸を示す、誉れ高き自死だとされています。『江戸から明治維新に学ぶ 武士道』(エイ出版社)によれば、お腹には魂が宿っているとかで、お腹を切り開いて自らの潔白な魂を相手に見せるという意味もあると言います。

この辺りは同じ日本人でも、現代に住む人たちにはちょっと理解しがたい部分もあるはず……。外国人旅行者に説明するとなると、余計に大変そうですね。

切腹を説明する英文

Hara-kiri was self-determination for samurai that became very common among them during the Edo period (1603-1867), which was an era of affluence and peace. Hara-kiri was a privileged criminal punishment for samurai that also tested their courage and the purity of their souls.


翻訳家/ライター。1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の紙媒体、WEB媒体に日本語と英語で執筆する。 主な訳書に『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)。

外国人が溺愛する「ニンジャ」文化、日本人はちゃんと説明できる?
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