湯はニッポンの誇り。訪日外国人が愛する、おもてなし「温泉宿」
世界屈指の温泉大国ニッポン。全国には、およそ3,000カ所もの温泉地があります。日本の温泉は国内観光客はもちろんのこと、海外からの訪日観光客からも根強い人気を集めています。
訪日外国人はリピーターほど温泉に行きたい
観光庁の「訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について」(PDF)の2017年の調査では、訪日外国人の日本滞在中の行動は、訪日回数が増えるほど「温泉入浴」 が増える傾向にありました。つまり、リピーターほど温泉に行きたいと感じているのです。
上記は韓国の訪日観光客の意識調査に関するデータ。図中の温泉入浴の欄をみると、期待していたこと<今回したこと<次回したいことという具合に、数値が上昇していることがわかります。日本に初めて訪れた韓国人で「実際に温泉入浴をした」のは32%、しかし56%が「次回温泉入浴をしたい」と回答しているのです。
この傾向は、韓国に限らず他国からの観光客の傾向にも同様にみられました。同調査では、訪日外国人旅行者の61.4%が、訪日回数2回目以上のリピーターという結果も出ており、今後リピーターの増加に合わせて温泉人気もさらに高まることが期待できます。
東アジアからの観光客が4分の3を占める
日本政府観光局(JNTO)の「日本の観光統計データ」によると、2019年6月時点での訪日観光客数は、75.1%が東アジアとなっています。内訳をみると、中国を筆頭に、韓国、台湾、香港、と続きます。訪日外客数上位10位の8カ国がアジアからの旅行客、そして消費額もほぼアジアからの外国人で占めています。
つまり、アジアからの旅行客を制するものが、日本の観光を制すると言えますね。
特に温泉旅行が好きなのはあの国の人たちだった!?
そんな、訪日外国人の大多数を占めるアジアのなかで、特に温泉旅行を選びがちなのはどこの国からの観光客なのでしょうか。
アジアの8カ国(韓国・中国・台湾・香港・タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア)に住む人を対象にした「DBJ・JTBF アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査」(PDF)では、中国とインドネシアからの訪日客は45〜50%以上が温泉で入浴していることが分かりました。一方で、台湾からの観光客は入浴意向が低く、初めて訪日した台湾人客の17%が入浴に抵抗を感じていました。
これにより、同じ東アジアの観光客でも、国によって温泉への興味の度合いに大きな違いがあることが判明しました。
では、特に温泉愛が強い海外の人たちが訪れたいと思う日本の温泉地や旅館は一体どこなのでしょうか?