世界遺産でナイトライフの聖地。美しき音楽の島「イビサ」の魅力
多様な生物が生息するイビサは、なぜ「世界一美しいビーチ」といわれるのか?
ヨーロッパ屈指のリゾート地として知られるイビサ島のビーチは、「世界でも最も美しいビーチ」ともいわれています。
この島のビーチが美しいのは、浜自体が美しいこともその理由のひとつではありますが、イビサ島を取り囲む海が非常に綺麗なこともポイントです。
ターコイズブルーの鮮やかで透明度の高いイビサのこの海は、実はある植物によって作り出されています。
イビサ島の周りの海には、ポシドニアと呼ばれる海中植物群生していて、この植物が海水の浄化作用をもっています。
1平方メートルあたり10リットル以上の酸素を毎日生成し海の浄化を行い、世界一美しいターコイズブルーの海が維持されているのだとか。
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ポシドニアという名前はギリシャ神話の海と水の神・ポセイドンに由来しています。
海の神の名前を冠した植物が海を綺麗にして生態系を守っているというのは、なんとも感慨深いものがありますね。
ポシドニアは海中植物ですが、イビサ島は陸上にも豊かな緑が広がっています。うっそうと生い茂る松林や野生のイチジクの林などからは、古代からこの島が実り豊かな土地だったことを彷彿とさせます。
そして自然が豊かなこの島には、200種類以上の鳥類、50種類以上のカタツムリの仲間や、3種類の絶滅危惧種が生息しています。
これらの動物たちのなかでは、絶滅危惧種のひとつであるモンクアザラシが特に有名でしょう。この島に住んでいるモンクアザラシは、チチュウカイモンクザラシといいます。
モンクアザラシは、かつてハワイモンクアザラシとチチュウカイモンクアザラシ、そしてカリブモンクアザラシという3種類が存在していました。
しかし、そのなかでも最大頭数を誇ったカリブモンクアザラシは、わずか数十年で絶滅してしまうことに。
この島にも生息しているチチュウカイモンクアザラシは地球上でも残り数百頭しか現存しておらず、環境団体、動物愛護団体などは種を保護するための活動を続けています。