食事で深まる異文化理解。スイスの家庭で味わう日本シーフード
静岡県沼津で技術を学んだオーナーが創業
「北海水産」という名前と取扱商品から、日本の方の会社かと思ったんですが…。創業者はマリナス・ノーデンボス氏。…日本の方ではありませんでした。
なんでも、ノーデンボス氏は18歳のときに日本で1年間、静岡県は沼津で魚加工の仕事に携わっていたのだとか。最初の半年は日本語が分からずにいろいろな苦労があったようで。そこで学んだ魚加工の技術をオランダに持ち帰って、1993年に北海水産を創業したそうです。
いまでは、ヨーロッパに住んでいる約7,000の日本人家庭が北海水産を利用しているそう。
沼津で修業しただけあって、アジの開きや塩サバなどの味は、日本で売られているものとほとんど変わりません。これは、日本から遊びに来た私の両親に出したときもそのように言っていたので、日本の味をそのまま再現していると言えるでしょう。
スイスに来るまでは塩鮭と生鮭の違いが分からず、鮭=塩鮭と思っていた私。スイスでは生鮭しか売っていないため、塩っ気のない鮭に驚き、ネットで調べたものです。塩鮭は生鮭に塩や砂糖をまぶして寝かせれば、自宅でもできるとのことで自宅でも試したんですが…。
何がどうなったのか、ものすごく塩辛い塩鮭が誕生してしまったのです。塩サバなどもサバが手には入れば作ることができるようですが…。自宅でいろいろ試行錯誤するという面倒くさい作業の上に失敗するのであれば、北海水産で購入したほうが賢いというもの。
我が家は3カ月に1度のペースで利用しています。
左上から時計回りに
- シシャモ(6.2ユーロ・約750円)
- アジの開き(6.7ユーロ・約810円)
- サバのコチュジャン味噌(6ユーロ・約730円)
- 塩サバ(6ユーロ・約730円)
- さつま揚げ(7.15ユーロ・約870円)
- ちくわ(2.7ユーロ・約300円)
- ブリの刺身(13.9ユーロ・約1,700円)
- 鮭の刺身(7.85ユーロ・約950円)
- マグロの赤身(20ユーロ・約2,400円)
- ニホンウナギのかば焼き(1尾 18.5ユーロ・約2,200円)
あれだけ語っていた塩鮭を購入していないのはスルーするとして…。
これに関税と送料がかかり日本よりも割高になりますが、スイスで日本の味が楽しめるのであれば、3カ月に1度の贅沢ということで満足です。子どもたちはアジの開きが好物。スイスで普通に暮らしていたら知ることができない味です。
子どもたちがスイスにいながらにして、母親の故郷、そして自分のなかにあるルーツである日本の伝統的な味を知ること、伝えることができるということは、とても素晴らしいことだと思います。
自分も無性に食べたくなる日本の海産物。「北海水産」は自分自身にも子どもたちにも、とてもありがたい存在なのです。
- 北海水産
- Postbus 72, 1970 AB IJmuiden The Netherlands
- +31 255-541-166(国際電話)
- 公式サイト
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