下の毛ないの!?外国人からよく聞かれる「日本への誤解」7選

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2021/05/26

3. 日本人はタトゥーが嫌い?

image by:Shutterstock.com

次もよく外国人からいわれる話としてあげられるのが、日本人の「タトゥー観」です。

日本はもともと、入れ墨大国です。「日本人=タトゥーが嫌い」という話は、戦後の暴力団の入れ墨に関係するイメージがあるだけで、タトゥーが全面的に嫌われているかといえば、疑問な部分もありますよね。

もちろん一部の場所を除き、変わらず公衆浴場には「入れ墨・タトゥーなどがある方の入場はお断りします」との注意書きが掲示されています。とはいえ繰り返しになりますが、日本はもともと入れ墨「先進国」です。

岩波書店の『広辞苑』を調べると、

<先史時代から行われ、日本では近世にも流行>(広辞苑より引用)

とあります。近世とは日本でいえば江戸時代。このころ、とび職や遊侠の人たちが、入れ墨を競って入れたみたいです。

とび職は現在の消防士のようにスターのような存在ですが、一方の遊侠の人とは「任侠の人」のことを意味します。この任侠の人とは、弱きを助けて強気をくじく気性に富んだ人です。

「男だて」ともいわれ、さらに別名では「侠客(きょうかく)」ともいいます。侠客とは、

<江戸の町奴(まちやっこ)に起源。多くは賭博・喧嘩渡世などを事とし、親分子分の関係で結ばれている>(広辞苑より引用)

とのこと。要するに、入れ墨=ちょっとした乱暴者の証というイメージも日本人の根底にあると予想されます。

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さらに、入れ墨には犯罪者の顔や腕に墨汁を刺し入れ、前科を記したとも知られています。


<江戸時代には庶民の窃盗罪に対し>(広辞苑より引用)

そして、かつては入れ墨が入った人間を入れ墨者とも呼んだそう。これらの文化を明治維新とともに、日本は後進国の恥として捨てようと必死になります。

ここから、日本では入れ墨=ネガティブという印象が育まれていくのですが、昭和に入って仁侠映画が流行すると、いよいよ入れ墨のイメージが決定的になります。

にもかかわらず、日本人が嫌った入れ墨は、昭和の終わりから先進国の欧米で人気となりました。

いまでも海外のタトゥー情報を調べると、世界の代表的なタトゥースタイルのひとつとして、「Japanese Tattoo Style」は認知されているようです。日本人の彫り師のレベルも、かなり高いといいます。

先進国に恥ずかしいからと、負の遺産として切り捨てたタトゥー(入れ墨)の文化が、実は先進国の欧米に高く評価されているというねじれのような現象が、現代に起こっているのですね。

「日本人はタトゥーは嫌いなの?」という疑問に関しては、人によって異なる部分もあります。即座に同意しかねる歴史の重みと文化が日本にもあるのですね。

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