世界遺産好きなら一度は行きたい。ゴシック様式を代表するドイツ「ケルン大聖堂」

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2024/11/08

ドイツ西部に位置する第4の都市ケルンの中央駅に降り立つと、目の前に現れるのが巨大な「ケルン大聖堂」です。

ヨーロッパを旅していると巨大な大聖堂には度々出会うことがありますが、ケルン大聖堂ほど「壮大」「雄大」という言葉がぴったりの大聖堂はなかなかありません。

ケルン大聖堂は地元に住む人々はもちろん、全ドイツ人にとって誇りであり、自慢でもある、素晴らしい世界遺産です。

世界遺産の「ケルン大聖堂」とは?

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ヨーロッパの有名建築といえば何を思い浮かべるでしょうか?スペインの「サグラダ・ファミリア」、フランスの「モン・サン・ミッシェル」、イタリアの「ミラノ大聖堂」などたくさんありますよね。

どれも素晴らしい建築物であり、後世に受け継ぐべき世界遺産ではありますが、そのなかでも特に美しく、長い年月をかけて造られたのがドイツにあるケルン大聖堂です。

ドイツを代表する世界遺産でもあるケルン大聖堂は、外から見るだけでも荘厳な雰囲気の漂う由緒正しい教会。いまも世界中のキリスト教徒たちが集まり、祈りを捧げています。

ケルン市の中心部、ライン川の辺りに建つ大聖堂はホーエンツォレルン橋との景観も相まって、素晴らしい姿を見せてくれる絶景ポイントでもあります。

ゴシック様式の美しい教会

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古い町並みの美しいヨーロッパ。国によって微妙な違いはあるものの、建築された時代に合わせて「ロマネスク様式」や「ロココ様式」など形や雰囲気が異なる建築物が混在しています。

ケルン大聖堂は、12世紀〜15世紀にフランス・パリを中心として広まった「ゴシック様式」の建築物です。パリからライン川沿いに広がっていったとされており、ゴシック様式の建築物のなかでは、最も大きく代表例として挙げられることも多い重要な教会です。


ゴシック様式は、細やかな装飾が施されたとても豪華な外観が特徴。ケルン大聖堂の顔であるファサード(建物を正面から見たときの外観)も有名な建築家が手掛けた細やかな装飾が無数に施されており、圧巻の一言です。内部に入る前に外見だけで圧倒されてしまうことでしょう。

600年以上もの歳月をかけて造られた

現在のケルン大聖堂が完成したのは、1880年のこと。いまの建物は三代目で、なんと632年もの年月をかけて建設されました。

いまだに建設途中の世界遺産といえば、最初に思い浮かぶのがスペイン・バルセロナの「サグラダ・ファミリア」ですが、それでも建設が始まってから138年ほど。2026年には完成予定なので、140年と少しで完成します。

これを考えると、600年もの途方もない歳月をかけたケルン大聖堂がいかに壮大かが分かりますね。

600年の間には財政難のため建設が止まっていた時代もありましたが、ゴシック様式が見直される「ゴシック・リバイバル」の時代の到来とともに、完成が急がれたという歴史を持っています。

ケルン大聖堂へのアクセス方法は?

ケルン市はドイツの西部に位置しています。人口は約1,000万人を超える大きな都市ということもあり、各都市からのアクセスも整っています。ケルン大聖堂はケルン中央駅の目の前にあるのでそこを目指しましょう。

日本からケルンへの直行便は就航していないので、「フランクフルト空港」か「デュッセルドルフ空港」から向かうことになります。

「フランクフルト空港」からケルン市へのアクセス

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フランクフルト空港からケルン中央駅までは、ドイツの新幹線「ICE」に乗って約1時間ほどで到着します。直通なので迷うこともありませんし、1時間に3〜4本出ているのでとても便利です。

所要時間は、1時間で到着するものもあれば、2時間ほどかかるのものも。どちらも乗り換えの必要はありませんが、通るルートによって時間が異なります

注意しなければいけないのは、空港内には2つの駅があること。ケルン中央駅まで繋がる電車は、遠距離の電車が発着する「Frankfurt(M) Flughafen Fernbahnhof」駅から乗車しなければいけません。

夜遅くに到着するフライトで、フランクフルト市内で1泊する方は、フランクフルト中央駅から1本で行けるのでこちらを利用しても良いでしょう。

フランクフルト市内からバスを使う方法も

フランクフルト市内からケルン市内へ最もお安く移動できるのがバスです。バスの本数も多く、朝早くから夜遅くまで運行しているのでこちらを利用しても良いでしょう。所要時間は2時間ほどです。

フランクフルトのバス停はフランクフルト中央駅なので分かりやすいですよ。ただ、到着はケルン市内から20分ほどの場所にあるケルン空港に到着します。市内とケルン空港は電車移動となるので注意しましょう。

「デュッセルドルフ空港」からケルン市へのアクセス

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続いて、デュッセルドルフ空港からケルン中央駅への行き方を見てみましょう。こちらもデュッセルドルフ空港駅から電車に乗車して1時間ほどで到着します。

デュッセルドルフ空港駅は、無料の「SkyTrain」に乗って5分ほどで到着。こちらもアクセスしやすいですね。

デュッセルドルフ空港ターミナル駅という駅もあり、こちらを利用する場合は一度デュッセルドルフ駅へ向かいます。その後、電車に乗り換えて最短で30分ほどで到着します。ケルン中央駅の南口を出ればすぐ目の前に大聖堂があります。

ケルン大聖堂の大きさに驚愕!

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日本にも歴史的な遺産はたくさん残されていますが、駅を出て目の前に世界遺産がある場所はあまり思い浮かびません。

南口を出ると目の前にそびえるのがケルン大聖堂です。あまりの大きさに首をぐぐっと上を向けないといけません。写真に収めようとしても、近くからでは塔のてっぺんまでは入りきらないほどの高さです。

なんと157mもあり、世界第2位の高さを誇る大聖堂です。ちなみに世界最大の大聖堂は、バチカン市国の「サン・ピエトロ大聖堂」です。

高さだけではなくその広さも世界最大級。横幅は145mとゴシック様式最大級の建築物です。ぐるりと周囲を見て回るだけでも時間がかかってしまいます。たっぷりと時間を取って見学に出かけましょう。


ケルン大聖堂への入場料は?

外観を見るだけでも十分に価値のあるケルン大聖堂ですが、ぜひ中にも足を運んでみましょう。このような大きなキリスト教教会は日本にはありませんし、内部の美しさも際立っています。

ケルン大聖堂への入場はなんと無料!塔に登るには別料金が必要(大人8ユーロ)ですが、塔から見るケルン市内の景色はいかにもヨーロッパ!といった絵本のような光景が広がっています。ぜひ登ってみましょう。

内部はフラッシュを焚かなければ写真撮影も許可されています。色とりどりのステンドグラスやゴシック様式のアーチなどフォトジェニックな場所も多いのでお見逃しなく。

ただ、教会はキリスト教徒の方にとって神聖な祈りの場です。マナーを守って静かに見学を楽しみましょう。

ケルン大聖堂の見どころを事前に要チェック!

ケルン大聖堂を訪れるまたとないチャンス、見どころはしっかり押さえておきたいですよね。続いてはケルン大聖堂の見どころをしっかりご紹介しましょう。写真撮影が好きな方はカメラの準備を忘れずに。

ゴシック様式の特徴「尖頭アーチ」

image by:photosounds/Shutterstock.com

ゴシック様式を代表する大聖堂ですから、まずは「尖頭アーチ」を見逃さないように。尖頭アーチとは多用される石の梁のてっぺんが尖っているアーチのことです。

ケルン大聖堂のアーチは外部のファサードも内部に入ってもすべてこの尖頭アーチで造られています。丸いアーチよりも奥行きが感じられ、独特の美しさを生み出しています。

美しい身廊

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内部に入ってまず目に飛び込んでくるのが、祭壇へと続く「身廊(しんろう)」と呼ばれる部分です。高い尖頭アーチがいくつも続く身廊の美しさに息を呑むことでしょう。

高さは43.5mのアーチが重なりとても荘厳な雰囲気。あちこちに彫刻が施され、豪華でありながらもゴテゴテとした印象はありません。

鮮やかなステンドグラス

image by:Shutterstock.com

教会といえば「ステンドグラス」です。ケルン大聖堂にもとても大きなステンドグラスがいくつも造られており、見逃せない一部となっています。

ゴシック様式の内部に合わせて縦に長い造り。聖書の位置場面を表現したとても美しいステンドグラスがいくつも並んでいます。

特に異彩を放っているのが、現代アートの巨匠ゲルハルト・リヒターのステンドグラス。聖書の場面ではなく、色とりどりのモザイク模様になったステンドグラスが南側に配置されています。

こうしたステンドグラスが教会にあるのは、通常では考えられません。リヒターは多様な価値観が認められる時代に合わせたステンドグラスを生み出し、ケルン大聖堂側もそれを受け入れたのでしょう。10,000枚以上のガラスが使われた、これ以上ないほど鮮やかなリヒターのステンドグラスは必見です。

「バイエルンの窓」と呼ばれるものも

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ケルン大聖堂にはもうひとつ有名なステンドグラスがあります。それが「バイエルンの窓」と呼ばれる5枚のステンドグラス。バイエルン王ルードヴィヒ1世から寄贈されたもので、5枚で聖書の物語が表現されています。

聖書の物語を知っていればさらに興味深く感じますが、知らない状態で見ても美しさに、見とれてしまうことでしょう。入場者はみんな足を止めてバイエルンの窓を眺めています。

中央祭壇にある聖棺

image by:Mikhail Markovskiy/Shutterstock.com

奥へ進んでいくと中央祭壇が現れます。ここに安置されているのは黄金で細工された美しい「聖棺」。

イエスが誕生した際にやってきた「東方の三賢者(東方の三賢者)」の遺物が収められているとされています。この東方の三賢者の遺物こそ、ケルン大聖堂が世界中から巡礼者を集めることとなった大きな理由でもあります。

黄金の棺自体は遠目から見ることしかできませんが、それでも強い存在感を放っています。中央祭壇の前ではキリスト教徒の人々がひざまずいて祈りを捧げています。

南塔へと登ろう

ケルン大聖堂の「南塔」にもぜひ登ってみましょう。500段もの階段を使って登った先にはケルン市内を一望できる展望台があります。

ケルンに文化を運び、人々の生活を支えてきたライン川の雄大な姿も見られます。塔には世界一大きな鐘もあり見応え抜群。かなり狭い螺旋階段をぐるぐると回りながら登って行くことになるので歩きやすい靴で出かけましょう。

宝物館へも足を運ぼう

正面入口の横には地下の「宝物館」への入り口が設けられています。

宝物館には長い歴史の中で寄進された品々やキリスト教の式典や儀式で使われる道具、黄金でできた杖や冠などが展示されています。キリスト教文化に興味のある方はもちろんですが、そうでなくても目を奪われる展示品の数々に圧倒されてしまうことでしょう。

少し歩いて全貌を見よう

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ケルン大聖堂はとても大きく背の高い教会なので、近くにいてはその全貌を見ることも、写真に収めることもできません。内部を見学したあとは、その感動を味わいながら少し歩いて、全貌が眺められる場所へと行ってみましょう。

ケルン大聖堂の全貌を写真に収めたいのなら、ライン川対岸へ行くのがおすすめ。ホーエンツォレルン橋を歩いて渡り、対岸から後ろを振り返ってみるとケルン大聖堂とホーエンツォレルン橋の絶景が見られます。

ライン川沿いに造られた遊歩道からの眺めも素晴らしいのでぜひ訪れてみましょう。特に夕暮れ時、夕日に照らされるケルン大聖堂の姿はあまりの美しさに言葉を失ってしまうに違いありません。

外観も内観も他を圧倒する美しさと荘厳さを誇るケルン大聖堂は、ドイツを訪れる際にはぜひ足を運びたい場所です。

普段は建築物に興味がない人でも、その世界にどっぷりと浸かってしまうこと請け合いのケルン大聖堂は、後世へと残していきたい世界遺産です。美しいキリスト教の世界を味わってみましょう。

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元々インドア派だったはずが『恋する惑星』でウォン・カーウァイにハマり、初めての一人旅は上海へ。カメラ片手にどこへでも行くアクティブ旅女子になりました。現在は大学院に通いつつフリーライターとして、旅・アート・美容・ファッションをメインに活動しています。

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