【大谷翔平負傷】エンゼル・スタジアムが揺れた30分を現地から緊急レポート
投打二刀流で最高の滑り出し

試合が始まると、大谷選手はこれ以上ないと思われるほどのパフォーマンスを投打で見せてくれました。
1回表、エンゼルスの先発投手として登板した大谷選手は、レッズの打線を3者凡退2奪三振に斬って取りました。
そもそも私がこの日に観戦しようと思い立ったのは、レッズの新人エリー・デラクルス選手と大谷選手との初対決を見たかったからです。
デラクルス選手は、超人的なスピードとパワーを兼ね備えた、今後のメジャーリーグを代表する選手になるだろうと見られています。
100年にひとりと評される大谷選手とデラクルス選手。往年の金田正一と長嶋茂雄デビュー戦、新しくは千代の富士と貴花田(新しくないかも)の初取り組みのような、歴史的邂逅になると思ったのです。
注目の初対決は大谷選手に軍配が上がりました。スイッチヒッターのデラクルス選手は右打席に入りましたが、あえなく三振に倒れました。固唾をのんで見守っていたファンからどよめきが起こりました。
その興奮が冷めやらぬ1回裏、エンゼルスの2番打者大谷選手がライト席に弾丸ライナーのホームランを叩き込みました。球場のボルテージがさらに上がったことは言うまでもありません。
昼間の空には映えませんが、恒例の花火が打ち上げられました。
突然の悲報

「MVP! MVP!」 の大歓声を受けて2回表のマウンドに向かった大谷選手ですが、先頭打者を四球で歩かせ、続く打者を内野フライで打ち取った後、トレーナーと監督らがマウンドに集まってきました。
マウンドでどのような会話が行われたかは想像するしかありません。
監督が大谷選手の肩に手を置いて、なにやら説得していたように見える場面がありました。大谷選手がうつむきながらマウンドを降り、ダグアウトに向かうと、球場全体に悲鳴が上がりました。
この時点では、大谷選手の負傷が何であったかのかは私たち観客には分かりませんでした。しかし、大谷選手を目当てに来場したであろう熱心なファンにとっては痛恨事でありました。
スタンドには日本人の姿も多く見られました。私のように近所に住んでいるならまだしも、遠方から訪れていた人はとても気の毒でした。はるばる日本から旅行に来ていた人もいたかもしれません。
願わくは、この日が歴史的1日ではなく、単なる残念なエピソードになりますように。歴史の目撃者とはなりませんように。
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