2023年1月10日から「全国旅行支援」はどう変わる?国内旅行がよりお得になる活用法【注意点も】

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2022/12/27

国内旅行を対象にした「全国旅行支援」が、2022(令和4)年10月11日から始まりました。

ホテル・旅館の宿泊代金や飛行機・鉄道とホテルなどがセットになったツアー代金が割引になり、さらにお土産の購入などに使える地域クーポン券(以下、クーポン券)ももらえます。なお、2023年1月以降の延長も決まっています。

秋田県の全国旅行支援利用でもらえるクーポン券。image by:シカマアキ

筆者はこの全国旅行支援を、3ヶ月で合計5回使いました。その中で、割引のありがたさクーポンの使いづらさ、一時停止中の「GoToトラベル」との違いなどをいたるところで実感させられました。

旅行者にとって、お得な全国旅行支援。今後の上手な活用法注意点実際の利用体験も含め、おすすめの使い方を紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

旅行支援でこんなに割引が!ただし 2023年以降は割引が縮小

まず、全国旅行支援とは、いったいどんなものなのか。これは政府が実施する、全国を対象とした観光需要喚起策です。旅行代金の最大40%相当が割引となりました。

宿泊のみ

1人1泊につき上限5,000円

交通付き旅行商品

1人1泊上限8,000円

クーポン券(宿泊のみ、交通付き旅行商品共通)

平日3,000円分/休日1,000円分(1泊ごと)

なお、上記の割引内容は2022年12月27日終了年末年始の旅行は対象外で、2023年1月10日から再開することが発表済みです。


2023年1月10日以降分から旅行代金の最大20%相当が割引となり、以下のように縮小されます。

宿泊のみ

1人1泊につき上限3,000円

交通付き旅行商品

1人1泊上限5,000円

地域クーポン券(宿泊のみ、交通付き旅行商品共通)

平日2,000円分/休日1,000円分(1泊ごと)

つまり、2022年12月27日までは1人1泊当たり最大1万1000円(宿泊8,000円+クーポン<平日の場合>3,000円)の支援でしたが、2023年1月10日からは最大7,000円の支援に縮小。また「発売前の予約は対象外」なのでご注意ください。

こんなにお得!東京発沖縄2泊3日が実質1万4000円引き

全国旅行支援は、例えば飛行機とホテルをセットで予約する場合、通常よりかなり得です。

(例)東京発沖縄行き2泊3日(往復飛行機、ホテル2泊付き)※1名当たり、2022年12月27日までの条件

  • 旅行代金 5万円→3万4000円
  • クーポン券 6,000円分(平日の場合)

(例)東京発沖縄行き2泊3日(往復飛行機、ホテル2泊付き)※1名当たり、2023年1月10日以降の条件

  • 旅行代金 5万円→4万円
  • クーポン券 4000円分(平日の場合)

つまり、2022年12月27日までは5万円の旅行が実質2万8000円2023年1月10日以降5万円の旅行が実質3万6000円。割引額の違いはあれどとてもお得で、使わない手はありません。

全国旅行支援の予約方法は、予約時にあらかじめ支援分が割引されている旅行商品を申し込むこと。割引されていない旅行商品はすべて対象外です。

利用条件に「ワクチン接種済み」、ホテルチェックイン時に人数分提示

利用には条件があります。「ワクチン接種歴または検査結果」「本人確認書類」が必要で、「日本国内に居住する旅行者」「1つの旅程で最大7泊まで」との条件も。

特にワクチン接種歴は、都道府県によって「2回」「3回」などと異なることも。ワクチンパスポートなどの紙、ワクチン接種アプリの提示でもOKです。

筆者は4回接種済みで、ホテルのチェックイン時にアプリの画面を見せています。

新型コロナワクチン接種記録書。image by:Shutterstock.com

また、本人確認書類原本が必要な都道府県が多いです。運転免許証などコピーでなく原本の持参もお忘れなく。もし持っていない場合、支援分を追加で請求され、クーポン券ももらえません。

いずれも「人数分」が必要です。つまり、家族旅行なら家族全員分。複数人いる場合、旅行出発前に忘れていないか必ずチェックしましょう。


もらえるクーポン券、都道府県ごとに使い勝手がまったく違う!

以前、似たような旅行支援に「GoToトラベル」がありました。これは現在も一時停止中であり、全国旅行支援とは別です。

何が違うかというと、GoToトラベルは国が主導して行うものなのに対し、全国旅行支援は都道府県単位。そのため支援の金額こそ同じでも、都道府県ごとに「ルール」が違うことに気を付けないといけません。

例えば、クーポン券。沖縄県の場合、クーポン券が使えるのは観光地などの土産店、マリンアクティビティ、地元の居酒屋などが多く、コンビニやドラッグストア、スーパーマーケットでは基本使えません。

マクドナルドなど全国チェーンの店舗も不可。「沖縄はクーポンを使う場所が少なすぎる」との声が多く挙がっています。

沖縄のイオンでは「沖縄県産品のみ」で、店舗内に特設コーナーがあり、ここに置いてある商品しかクーポン券使えず。しかも、紙の裏に利用者自身が氏名と利用日を記入しないといけませんでした。

全国旅行支援でもらえる、沖縄県の地域クーポン。image by:シカマアキ

その使いづらさでは、神奈川県も利用者からすでに非難ごうごう。

11月半ばごろからイオンで利用できるようになり、食料品や衣料品など直営売り場であれば使えるため、旅先でお土産以外を購入したい場合はイオンがおすすめ。神奈川県もコンビニや全国チェーンの店舗はほぼ対象外です。

ショッピングモールで使える都道府県もある。image by:icosha/Shutterstock.com

一方、福岡県では、セブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニ、地元のスーパーやドラッグストア、空港内では土産店だけでなくラウンジや書店まで使えます。

食事やお土産などに使うとあっという間に消化。秋田県もほぼ同様で、すぐ使い切ることができました。

おすすめの利用法は、地元の飲食店でちょっと豪華な料理とお酒。または「レンタカー」です。ただ、レンタカーの場合、店舗ごとにクーポン券を利用できるか否かが異なるため、事前に必ず調べてから予約しましょう。

地域クーポン券はアプリの場合もある。image by:Shutterstock.com

クーポン券の受け取り宿泊するホテルというのも不便さを感じる一因でしょう。現地に着いて空港でレンタカーを借りるのにクーポン券が使えず、一度自力でホテルへ行かないといけないことも。

さらに、クーポン券が「紙」「アプリ」と都道府県ごとに異なるのも、ややこしいことこの上なし。使える店舗を調べるのも検索画面が追いついてなく、「PDF」の表でひたすら探す都道府県もあります。

ホテル・旅館で相次ぐ「便乗値上げ」注意、「手数料」チェックも

注意したいのは、ホテル・旅館の「便乗値上げ」です。先に割引されると気づきにくく、その割引分と以前と比べてほぼ同価格だと「便乗値上げでは」とまず疑ったほうが良いでしょう。

旅行会社が旅行支援の手続きと称した「手数料」を取っている可能性もあります。若干は致し方ないものの、もしこのようなケースがあれば金額を確かめてみてください。

ホテル・旅館の過剰な値上がりに注意。image by:Shutterstock.com

もちろん、ホテル・旅館が満室に近くなると値上がりするのは当然です。ただ、サービスに見合わないような過剰な値上げは、別の話

実際、飛行機や鉄道などはそこまで大きく値上げしていません。ホテル・旅館などはあらかじめ調べるのがおすすめです。

自分で調べることが大事。あとから追加情報もかなり多くあること

旅行支援は、旅行者にとってありがたい支援であるのは確か。ただ、都道府県ごとに異なるルールクーポン券の使い道など、それぞれ調べる必要があります。

支援の開始時期より、クーポン券が使える店舗が増えた」という事態も。

金額やクーポン利用場所・・・事前にリサーチが大事。image by:ArthurStock/Shutterstock.com

旅行支援分が当初予算に達し、受付終了した都道府県があとで受付再開するケースや、旅行サイトによってはまだ受付しているところもあります。

ギリギリまで諦めずに粘り強く探して、ぜひ旅行を楽しみましょう。

  • image by:シカマアキ
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
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ジャーナリスト・フォトグラファー。飛行機・空港、旅行、ホテル、グルメなどをメインに、国内外で取材、撮影などを行う。雑誌やWEB向けの記事、写真や旅行などのセミナー講師も務める。元全国紙記者。大阪在住。

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