器の上に置いていない?専門家に聞いた、NGな「はしの使い方」5つ
年末年始を迎えると、普段は行かない旅行に出たり、珍しい人と食事に出かけたりと、イレギュラーなイベントが多くなると思います。その意味で楽しい年末年始ではあるのですが、逆に自分の行動を他人に見られる機会も増えます。「あれ、この人、こんなにマナーがなっていなかったの?」などと思われてしまう心配も……。
そこで今回はクールジャパン講師会の会長にして、プロトコール(国際儀礼)や日本文化・マナーに精通する椎屋美根子さんに、意外にやってしまいがちなはしのNGマナーを教えてもらいました。
NGその1:上げばし
最初は上げばし。言葉からも分かるように、はしを高く上げる行為を意味します。例えば長いめん類などを、器から引っ張り上げるような格好で、思わずやってしまいがちではありませんか?「長~い」などと喜んで、挙句の果てにははしでめんを挟んだまま立ち上がってしまう場面もあるかもしれませんが、椎屋さんによれば、
「食べ物を挟んだ状態で口より上にはしを上げる動作は、間違っています」
との話。この手の間違ったはしの使い方は、忌みばしといって、周りから嫌われる可能性が高い行為になるのだとか。上げばしを避けたい理由は、汁などが机の上に垂れ、周りの人にかかってしまう恐れもあるからですね。
NGその2:渡しばし
次は渡しばし。渡しばしというと、何かはしの手渡し方の問題だと感じるかもしれません。しかし、実際ははしの置き方の問題。
使っていないはしを、食事の最中はどのように置いていますか?器の上に、橋を架け渡すように置いている人が多いと思います。しかし、はしの正しい置き方は、はし置きの上。「はし置きがない場合は?」と椎屋さんに聞いてみると、
「器などの縁に、はしの先を立てかけるように置いてください」
との助言がありました。ちなみに椎屋さんによれば、渡しばしは「食事の終了」の意味を表すと言います。その意味で言えば、食事を終えた段階で最後にはしを置く場所としては正しいみたいですね。