片手を上げただけなのに…海外で日本人がついやってしまうNG行動
「こんにちは」の意味で片手を上げるのはNG?

車で日本の狭い道を走っていて、向こう側からも車が近づいてきたとします。相手が停まってくれたので、自分が先にすり抜けて、すれ違いざまに「お礼の意味」で片手を上げる。日本人なら誰もが平気でやる行動ですよね。
しかし、この動作は、ある国だと怒りを表現するジェスチャーと似ているため控えた方がいいと、筆者が大学生のころに受けた特別講義で、その国出身の有名タレントに学んだ経験があります。
その国とはイタリア。イタリアでは何か怒りをジェスチャーで表現する際、右腕を下から上に放り投げるような動作をするといいます。この動作が大きいほど、その怒りも大きくなるのだとか。

その意味で「ありがとう」と気前よく右腕を振り上げると、かえって「ふざけるな」といった意味に誤解される恐れがあるのですね(実際は表情など他の手がかりもあるので、それほどトラブルにはならないみたいですが)。
確かに、ヨーロッパのサッカーを見ていても、決定的なチャンスの場面でシュートを外した選手に対し、観客が右腕を空中に放り投げるような動作を見せて、怒っている姿を見かけます。
実際にイタリア人が「イタリア人のジェスチャー」について解説したホームページにも、怒りを表す動作として紹介されていました。

もちろん、日本人と同じ意味で片手を上げて(手の甲を相手に見せる形で)、「ありがとう」を示す国もあると、医療従事者の海外インターン情報を扱うイギリスのウェブサイト『Work the World』にも書かれています。例えば、メキシコですね。
それでも国によってはネガティブな意味として誤解を招く恐れもあると、念のため頭に入れておいた方がいいかもしれません。
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今回は、日本では当たり前のように行われているジェスチャーが海外ではNGになる、あるいは意味が異なるケースを紹介しました。住んでいる国が変われば、文化も変わる。一見、当たり前のことのように思えてしまいますが、ついつい忘れがちになってしまうこともあります。
楽しい旅行にするためにも今回ご紹介したNG行動をお忘れなく。
- 参考
- Italian hand gestures everyone should know CNN
- Gestures to Avoid in Cross-Cultural Business: In Other Words, ‘Keep Your Fingers to Yourself!’ – Huffinton Post
- Gestures That Filipinos Find Offensive – Philippine Primer
- AROUND THE WORLD IN 42 HAND GESTURES – Work the World
- James Hall、Professor James Hall著『The Sinister Side: How Left-right Symbolism Shaped Western Art』(Oxford University Press)
- Suzanne Ruthven著『Compass Points: Creating Meaningful Dialogue』(John Hunt Publishing)
- French Body Talk: 20 Fun Gestures for Fluency without Words – FrenchPod101.com Blog
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- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
- ※初出(2020年5月23日)/一部内容を更新しました(2025年5月20日)。