ゴミ捨てで仮装も?世界各地の「新型コロナの息抜き」方法
医療従事者に拍手を。イギリスの「虹のイラスト」と「Clap for Carers」
同じ子どもの話でも、今度は子どもたちから医療従事者に向けられた優しさの広がりを紹介します。
イギリスには国民保健サービス(NHS)という制度があり、この制度は第2次世界大戦の後に生まれた国営の医療サービスになります。
I can paint a rainbow @rosewell_ps pic.twitter.com/tExwY7GdVq
Kirsty Hall (@kirstyahall) March 21, 2020
何かと分断している印象が強いイギリスですが、知人のイギリス人によれば、この国民保健サービスに対するイギリス人の誇りと敬意は、国民をあっという間に一枚岩にするだけの力を持つといいます。その理由は、
<すべての国民に予防医療、リハビリも含めた包括的保健医療を原則無料で提供する>(田畑雄紀著『イギリス医療保障制度の概要 ―日本の制度との違いについて―』より引用)
医療制度で、この制度の下で、あらゆるイギリス人が原則無料で医療を受けられるからだとか。
今回の新型コロナウイルス感染症と戦う最前線の人たちは、まさにこの国民保健サービスの関係者たち。
そのためイギリスでは子どもたちが虹を描き、イラストを自宅の通りに面した窓などに張り出して、国民保健サービスの関係者に応援を送っているのですね。
親はその様子をSNSで拡散し、国中の医療従事者にも届けるという取り組みです。
ニュージーランドのテディベアの話のように、見方を変えれば、時間とエネルギーを持て余している子どもたちのいい息抜きや気晴らしにもなっているはずです。
After an incredible response last week, #clapforourcarers will now be a weekly event, taking place every Thursday at 8pm.Share and spread the word! #clapforcarers #nhs #keyworkers #clapfornhs #coronavirus #stayhome #thankyou #WeAreInThisTogether pic.twitter.com/asr0E1uPnX
Clap for our Carers (@ClapforCarers) April 2, 2020
医療・介護従事者と国民保健サービスの一般職員に対するイギリス国民の感謝の念は、他にもいろいろな形になって表れています。
例えば「Clap for Carers」といった取り組みも行われており、国民保健サービスのスタッフに対して、全国民から拍手を送ろうという動きがあります。
王族や首相も参加するほどの一大ムーブメントで、ロックダウン(都市封鎖)の下で厳しい外出規制が行われている状況下でも、定められたタイミングで、国民から拍手の音が起こりました。イギリスでは、連帯の機運が大いに高まっているようですね。