京都で話題!究極の完熟トマトジュースを求めて「小林ふぁ~む」を訪ねてみた

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2020/08/31

トマト全滅のピンチが引き寄せた思いがけないチャンス

トマトの最盛期は7月末まで。樹上で完熟したトマトを手でひとつひとつ摘み取り収穫。夏場のビニルハウスは灼熱

―――聞くところによると、小林さんは昨年(2019年)京都府主催のビジネスコンテストでアントレプレナー賞(女性起業家賞)を受賞されたそうですね。 2018年に本格的に就農され、同時に株式会社を設立と、トントン拍子にも見えますが?

いやー、実は大ピンチが…。2018年7月の西日本を襲った豪雨災害で、収穫間近にトマトが全滅してしまって。なんにもやることがなくなってしまったんです。

―――それは大ピンチ!!本当に大変でしたね…。

そんなとき、アントレプレナー賞にエントリーしてみないか?と農業関係者からの薦めがあり。それまではそういったことに一切興味がなかったんです。でも、時間だけはたくさんあったのでチャレンジしました。

たぶんそのとき、トマトが絶好調ならエントリーしていなかったし、トマトジュースも今のように百貨店に並ぶことはなかったかもしれませんね。

―――ピンチがチャンスとはまさにこのことですね!

それまでは、楽しく夫と2人で好きな農業して食べていけたらええなぁと漠然と考えていただけで。しかし、エントリーシートと向き合ったことで、自分の頭の中を整理できたし、そして「ビジネスとしての農業」を考える機会となりました。振り返るととても有意義な時間だったと思います。

―――受賞の有無は関係なく、チャレンジすることに意味があったということですね?

そうですね。エントリーしてから審査があるのですが、専門家の方々からブランディング、商品パッケージデザイン、値段設定、リスクマネジメントについてさまざまな角度からご意見いただいたことも、本当に勉強になりましたね。


―――日本では珍しい仕組み?農家が農家と契約するフランチャイズ事業もアントレプレナー賞をきかっけに考えられたそうで?

はい、農業は災害や農作物の病気などで被害を受けるとダメージがとても大きいので…。消費者の方々に商品を安定してお届けするためにも、リスクを分散するという意味で近隣のハウスを持っている農家さんと契約して小林ふぁ~むの看板でトマトを作ってもらっています。

農業で京都を元気に!いまどきの農業女子事情とは?

本格的な就農を目指して、今年度から担い手養成実践農場整備支援事業というシステムで研修中の農業女子・芦田泰子さん(左)

―――今日はお友だちの芦田泰子さん(和草〈nikogusa〉)、わざわざお越しいただき、ありがとうございます。ここからは小林さんとご一緒にどうぞよろしくお願いいたします。

芦田 はじめまして、どうぞよろしくお願いいたします。

ラジオ収録風景。写真右は、万願寺とうがらしや黒大豆枝豆の栽培を得意とする綾部市の赤堀幸さん(京都丹波赤堀農場)

―――福知山・綾部・舞鶴の中丹地域の農業女子20人のグループ「のら×たん ゆらジェンヌ」を今年(2020年)、発足されたそうですね。アイドルみたいで素敵です。

小林 「農業(のらしごと)を楽しみながら丹精(たんせい)込めて農作物を育てる、由良川沿いで頑張る女性たち」という意味を込めて命名しました。農業をPRして、地域活性化の一助になればという思いで活動をしています。

今年から京都FM丹波で月1度、農業や地域の魅力を発信するラジオ番組「月刊アグリっ娘ニュース」を始めました。

左から千々岩千夏さん(おちゃのこ菜菜)、芦田さん、小林さん、岩切康子さん(まころパン&86farm)。4人とも福知山のゆらジェンヌメンバー。芦田さんは勉強の一環として自身が育てた野菜を販売

―――芦田さんは大阪から福知山に移住されて間もないとおうかがいしましたが、きっかけは?

芦田 田舎暮らしにとても憧れがあったんです。元々カフェで働いていたこともあり食材に興味がありました。ずっと農業もしてみたかったですが、自然豊かなところで自分らしく生きたいという思いが強くて。つい最近、移住してきました。まずは2年間の農業研修でしっかりと勉強して、そのあと独立するのが目標です。

月に1度、福知山のホームセンターで「のら×たん ゆらジェンヌ」のメンバーで店頭販売会を開催。岩切さんが作る野菜たっぷりのパンは大好評。小林ふぁ〜むとのコラボ商品「とまとのぱん」がこの夏誕生

―――小林さんのような先輩や、農業女子の仲間とのつながりは心強いですよね。

芦田 はい、ほんまにそうですね。1人だと考えやアイデアがどうしても偏ったりするし、不安事など先輩にちょっとしたことでも相談できるのはありがたい環境。小林さんのトマトはもちろん美味しくて素晴らしいですし、経営面についてもとてもリスペクトしています。

小林ふぁ~むのInstagramより。SNSでイベントのお知らせも

小林 個人販売をするときには、いろいろな世代の人やさまざまな分野の人と積極に関わっていくことでヒントになることがいっぱい。自分がなんぼええと思っていても相手に響かないこともたくさんありましたから。人との対話から自分の農業や商品の個性に気づくこともありますね。

シャキシャキ食感がたまらないコリンキーも小林ふぁ~む夏の主力野菜

―――小林さんオリジナル農法の「かなこ農法」は個性的なネーミングだなと思って注目しておりました。

小林 そう、これも仲間との雑談の中で付けられたネーミングで。いまや、わたしのトマトの味にするための農法のことをそう呼んでいます。

トマトは有機肥料のみで栽培し、農薬や化学肥料は一切使わず育てています。もう一つ大切にしていることが、自分が好きなアイドルの歌をトマトと一緒に聴くことです。「お世話する人も楽しく」がモットーなので~。

―――本当に精力的に取り組まれていますが原動力って何でしょう?

小林 農業を始めたころ、師匠に「この年になって農業を始めるということは、小林さんにしかできない使命があるはずや」と言われたことが妙に心にすんなりと入って今もいます。福知山を元気にしたい、農業がしやすくなる下地をつくりたいという思いが突き動かしているのかもしれませんね。

今後は新規就農者の方々がそれぞれの目指す農業がしやすくなる土壌づくりができたらいいなと思っています。子どもたちにも農業ってカッコイイな、自分もやってみたいなって夢を持ってもらえたらと。

―――小林さんや芦田さんがとても生き生きと楽しそうにされているのを拝見して、私も農業をやってみたくなりました。動物たちにも癒やされ、本当に楽しいひとときをありがとうございました!

■■INFORMATION■■

小林ふぁ~む
住所:京都府福知山市字上小田175番地
電話:0773-21-5810

オンラインショップ

▶福知山市内で冷え冷えの「とまとのじゅ〜す」購入できる場所
福知山観光案内所、おみやげ処(福知山駅北口)

  • source:KYOTO SIDE
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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