北陸に唯一残っている、昔懐かしいレトロな「ハンバーガー自販機」

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2021/08/11

肉厚のパテから肉のうまみを感じられるハンバーガー

image by:坂本正敬

たまたま同行していた子どもと一緒に筆者もお店へ入り、早速「桜井バーガー ベーコン」と「桜井バーガー チーズ」(どちらも税込300円)を買って試食してみます。

コインを1枚ずつ入れボタンを押すとちょっとした「調理タイム」が始まります。出来上がりを知らせる赤いランプはウルトラマンの胸にあるカラータイマーのようでした。

ちょっと話す機会のあった嵯峨さんによれば、自動販売機の中の電子レンジでハンバーガーを温めているだけだといいます。しかし一緒にいた子どもは「中で今つくっているの?」と聞いてきました。

自動販売機の中でパテやバンズをあっちやこっちに移動させながら実際にハンバーグをつくっているようにも確かに思えてくるから、おもしろいですよね。出来上がりまでの想像を膨らませる時間がなによりもぜいたくだと思いました。

出てきたハンバーガーは熱々です。パッケージは紙の箱で、店内のテーブル席に移動して箱を開くと、ハンバーガーが包み紙でくるまれていると分かります。

「桜井バーガー チーズ」image by:坂本正敬

チーズバーガーの包みを開くと、ケチャップの酸味ある香りが立ち上がってきます。

自動販売機のハンバーガーですから、バンズが「ぺっちゃんこかな?」と予想していたのですが、意外にも膨らみを保っていました。このあたりは携わる人たちの努力かもしれませんね。

口にすると食感は全体にソフトで、適度な温かさが感じられます。肉厚のパテから肉汁のうまみが感じられて、次にタマネギの甘味が伝わってきました。

「桜井バーガー ベーコン」image by:坂本正敬

パッケージでいえばベーコンの方がおしゃれですが(チーズの方がよりレトロで評価は分かれると思います)、個人的にはチーズハンバーガーが好みでした。チーズの濃厚さ・香り・食感が全体にこくをプラスしている気がします。


300円という値段、自動販売機という販売・調理方法、さらに富山県黒部市のフリースペースという環境を考えると、おいしさが増すから人間の味覚は不思議です。

現在は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか県外からは自由に遊びに行けませんが、再び旅行が自由に楽しめる時代に戻ったら、富山旅行のひとつのプログラムとして、レトロ自販機でのハンバーガー体験を加えてみてはいかがでしょうか。

販売スケジュールはお店の公式Twitterで分かりやすく更新されています。

筆者が偶然目に留めた路上の立て看板。image by:坂本正敬

筆者は販売開始時刻から10分後くらいに入店できましたが、店内で子どもたちとハンバーガーを食べ、出てくるころにはもうチーズバーガーが売り切れていました。予約もDMでできますので、ぜひ食べに出かけてみてくださいね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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