ほろ酔い旅気分。レトロから最先端まで、全国「かわいいカップ酒」の魅力

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2021/10/22

レトロから最先端まで多様な魅力のカップ酒

―ではいよいよ全国のおすすめ「かわいいカップ酒」を教えてください。

浅沼:まずは岐阜県・御代櫻酒造「純米 パンダカップ」。パンダ自体がかわいいんですが、特にこの「いえい!」ってポーズがたまりません。このパンダカップに山形県・竹の露酒造場「竹の露マイカップ」を並べると、いっそう雰囲気が出ます。

笹を持つポーズが愛おしい岐阜県・御代櫻酒造「純米 パンダカップ」。山形県・竹の露酒造場「竹の露マイカップ」を並べるといっそう臨場感が。image by:吉村智樹
ほかにも茨城県・月の井酒造「月の井 おさかなカップ」と和歌山県・九重雑賀「カップ錦郷 浦島太郎」と並べるなど、飲み干したあとはコラボ遊びもできる。image by:浅沼シオリ

―カップ酒のコラボ!パンダが本当に竹林で遊んでいるように見えますね。

浅沼:実はこのパンダカップ、昭和生まれなんです。1972(昭和47)年、日中国交回復を記念して上野動物園にジャイアントパンダが来園した年に誕生したんだそうです。「そんなに長く愛されているんだ!」「カップ酒って、そんなきっかけで生まれるんだ」って驚きました。

―いま「レトログラス」が流行していますけれども、カップ酒はいわばレトログラスの先駆けですね。

浅沼:そうかもしれません。『かわいいワンカップ手帖』を販売していると、よく「おばあちゃん家で、コップとして普段使いしていた」「子どもの頃にお墓参りに行ったら供えられていた」という話を聴きますし。懐かしさがありますね。

浅沼さんも空いたカップを普段使いのコップとして再利用している。image by:浅沼シオリ

―こちらの花をデザインしたカップなんて、かわいいし、そのまま食器として使えますね。

浅沼ご当地カップ酒って野の花をデザインしたものが多いんです。レトロでおしゃれでかわいいですよね。並べて眺めていると、ほっとするんです。プリントだけではなく、カップのかたちもいいでしょう。


ご当地カップ酒は野の花をデザインしたものが多く、現在ブームのレトログラスの先駆けともいえる。プリントだけではなくカップのフォルムも素敵。image by:吉村智樹
浅沼さんは野の花に合うよう、蝶をデザインしたコースターを自作している。image by:浅沼シオリ

―フォルムもレトロで、確かにお酒を飲み終わったあともずっと置いておきたくなります。

浅沼:レトロ感はカップ酒の大きな魅力ですね。でもカップ酒のよさは、それだけではないんです。新潟県・青木酒造「雪男 純米酒 カップ」はフロスト加工(表面に研磨材を吹き付け、さらに化学処理し半透明化する加工)で雪山を表現したうえに白一色でイエティ(雪男)をプリントしてあります。

新潟県・青木酒造「雪男 純米酒 カップ」。雪男がスキー板をかつぐ斬新なデザイン。白一色の潔さ。image by:吉村智樹

―こちらはレトロなカップとは打って変わって、いまふうでクールなデザインですね。

浅沼:イエティがスキーヤーなんですが、ゴーグルをつけているなど細部までデザインが凝っているんです。カッコいいし、かわいい。スノボバージョンもあって、レトロとは違う楽しさがあります。

―カップ酒の進化系といえますね。いや~、カップ酒がこんなに多様な魅力がある世界だったとは知りませんでした。私も旅をしたとき、見つけたくなりました。今後はどんなカップ酒を入手したいとお考えですか。

浅沼:東京に住んでいるので西日本のカップをあまり持っていないんです。地元野球チームなどスポーツ関係のカップ酒がもしあれば欲しいですね。大阪、広島、福岡にはありそうな気がします。コロナが落ち着いたら、ご当地カップ酒と出会うために、再び旅へ出たいです。

―ありがとうございました。

まだ知らぬカップ酒と出会うために西日本を旅したいと語る浅沼さん。image by:吉村智樹

ときにはレトロ、ときにはポップ、ときにはキュート、ときにはクラシック。おいしいお酒を味わうひとときを彩ってくれるカップ酒。カップのなかで、日本各地の人々の郷土への想いが揺れています。カップ酒は旅の想い出を詰めた小さなタイムカプセルなのかもしれません。

新型コロナウイルス禍が落ち着いたら、ぜひカップ酒と出会う旅に出かけてみてください。それまでは、酒蔵のオンラインショップで購入できるカップ酒も多数ありますので、いつか訪れる街に想いを馳せながら「自宅で飲み鉄」を楽しんでくださいね。

かわいいワンカップ手帖1~3

image by:浅沼シオリ

「コスパがいい」を紹介した本はあれど、かわいさのみに注力した本がないので、Instagramで紹介しているものをまとめて、自分で作ることにしました。

「こんなご当地カップ酒が」「こんなポイントに注目しながら飲むと楽しい」という発見を、お酒のあてのひとつにしていただければ幸いです。

※「ワンカップ」は大関株式会社の登録商標ですが、この本では「日本酒が入っている、デザインが直接プリントされたガラスカップ」の総称として使用しています。

  • 『かわいいワンカップ手帖』1~3 浅沼シオリ著
  • 各600円(※販売店によって税抜・税込が異なります。)
  • 販売サイト
  • ※飲酒は20歳になってから!
  • image by:吉村智樹
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
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京都在住の放送作家兼フリーライター。街歩きと路上観察をライフワークとし、街で撮ったヘンな看板などを集めた関西版VOW三部作(宝島社)を上梓。新刊は『恐怖電視台』(竹書房)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)。テレビは『LIFE夢のカタチ』(朝日放送)『京都浪漫』(KB京都/BS11)『おとなの秘密基地』(テレビ愛知)に参加。まぐまぐにて「まぬけもの中毒」というメールマガジンをほぼ日刊で発行している(購読無料)。

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