最強パワースポットも!?日本全国の「世界一」スポットを探してみた
最強のパワスポ?2022年にピッタリ世界一福寅
2022年の干支は寅(とら)です。そんな今年にぴったりのスポットとして地元のテレビ局などにあらためて注目されているお寺にも「世界一」の名前を持った置物があります。
奈良県北部の生駒郡平群町、生駒山地の一角にある「朝護孫子(ちょうごそんし)寺」の境内に安置された約6mの張り子のトラが「世界一福寅」と呼ばれています。
張り子とは、木型に紙を重ね張り、乾いてから型を抜いてつくる造形品です。世界一福寅の脇には石碑が建てられ「世界一福寅」との文字が見て取れます。
関東の人にはぴんと来ないかもしれませんが、こちらのお寺は関西で有名です。『全国寺院名鑑 近畿篇』『寺院神社大事典 大和・紀伊』(平凡社)などお寺の関する名鑑を読むと、例外なくどの本でもかなりのスペースが割かれて解説が加えられています。
「信貴山寺」「毘沙門さん」などと呼ばれ、正月に初めて来る寅の日(初寅の日)には、本尊の毘沙門天を参拝する初寅参りの習わしが、奈良を中心に広く根付いています。初寅の日(12日ごとにめぐってくる吉日)が正月三カ日に重なる年は参拝者で特ににぎわうとも知られています。
「世界一福寅」以外にもトラのモチーフは境内の至る場所で確認できて、阪神タイガースの球団関係者も必勝を祈願しに訪れます。
朝護孫子(ちょうごそんし)寺ではどうしてこれほどトラが大切にされているのでしょうか?
その理由は、1400年くらい昔にさかのぼるとの話。
あの有名な聖徳太子が物部守屋を討伐する際に(他説では、斑鳩宮から四天王寺に行く途中の峠道で)、毘沙門天(多聞天)から必勝の法を授かった(毘沙門天が峠に現れた)からだといわれています。
現在の朝護孫子寺がその地です。出現した日時が、寅の年・寅の日(12日ごとにめぐってくる吉日)・寅の刻(午前4時の前後2時間ほど)だったとか。
毘沙門天とは四天王のひとつ、日本では七福神のひとつでした。多聞天(たもんてん)ともいいます。多聞天の意味は
<広く名の聞こえた>(岩波書店『広辞苑』より引用)
とあります。
インドの神話では財宝の神を意味するそう。ありがたい毘沙門天が日本で初めて出現した場所が現在の朝護孫子寺なので、トラにまつわる張り子などが境内に見られるのですね。
トラ=恐ろしい存在である反面、味方に付けると「悪鬼を追い払う」「鬼さえかみ殺す守り神になる」と中国ではいわれているそうです。
とても縁起のいい場所ですから、関西の人はもちろん、関東に暮らしている人も、新型コロナウイルス感染症の影響を見定めながら、関西旅行に出かけた際にはぜひ立ち寄りたいですね。
- 朝護孫子寺
- 奈良県生駒郡平群町信貴山2280-1
- 公式サイト