東京便も複数ランクイン。乱気流が発生しやすい世界の航路ランキング

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2024/03/20

飛行機に乗っていて乱気流に遭遇した経験はありますか?飛行機が、ジェットコースターみたいに急降下して肝を冷やした経験が筆者にはあります。

パイロットやフライトアテンダントには慣れた話なのかもしれませんが、乱気流による墜落事故は実際に存在します。一般の乗客からすれば思わず声を出してしまうくらい驚きの出来事ですよね。

そこで今回は、世界の乱気流に関する情報を旅行者に提供するスウェーデンのウェブサイト『Turbli』に掲載された、乱気流が発生しやすい航路ランキングを紹介します。

サンティアゴ空港と結ばれる南米各地との空路

image by:Shutterstock.com

上述の『Turbli』というサイトでは、世界に存在する合計15万の航路を分析し、発生した乱気流のレベルを「light(軽い)」「moderate(中程度)」「severe(激しい)」と評価して、年間ランキングを算出しています。

飛行距離や大陸に関係なく、地球に存在する航路の中で最も乱気流が発生しやすい航路トップ3(あるいはワースト3)は次のとおりでした。

  • 1位 サンティアゴ(チリ)・サンタクルス(ボリビア)
  • 2位 アルマティ(カザフスタン)・ビシュケク(キルギスタン)
  • 3位 蘭州市(中国)・成都市(中国)

それぞれ、1,905km、210km、661kmの航路です。

サンティアゴ image by:Shutterstock.com

1位の航路に注目してみましょう。南米大陸の太平洋側に存在するチリの首都であるサンティアゴから、チリ北部にあるボリビアのサンタクルスまでの間にはアンデス山脈が縦断しています。

航路こそ違いますが、チリのサンティアゴを目指して、南米大陸の東岸にあるウルグアイの首都モンテビデオから、ラグビーチームのチャーター機が親善試合のためにアンデス山脈付近を通過中、乱気流に巻き込まれ、山中に墜落した事故が映画にもなっています。

アンデス山脈 image by:Shutterstock.com

このサンティアゴと結ばれる、ブラジルのフロリアノーポリスやサンパウロ、リオデジャネイロ、パラグアイのアスンシオン、アルゼンチンのブエノスアイレス、ウルグアイのシウダ・デ・ラ・コスタといった南米各地の航路も、『Turbli』によれば乱気流が盛んに発生しているそう。


アンデス山脈には偏西風が吹き付け、山岳地帯特有の山岳波という風が発生するそうです。

<山岳波(MTW:Mountain Wave)は冬型の気圧配置等の状況下で強風が山脈を越えた時に山脈の風下側に発生する波のことをいい、航空機の運航に影響を与える乱気流の発生要因の一つとして知られています>(羽田空港WEATHER TOPICSより引用)

この山岳波によって、サンティアゴ空港と結ばれる南米各地との空路は、機体が大きく揺れる可能性が高くなると考えられそうですね。

長距離航路では東京便もランクイン

カトマンズ image by:Shutterstock.com

では、日本の都市が関係した航路で乱気流が頻発するルートは存在しないのでしょうか。

距離別にランキングを算出した場合、4,500kmを超える長距離航路の部門でなんと、「成田」「羽田」の航路がトップ5(あるいはワースト5)のうち1位、2位、3位、5位に入っています。

  • 1位 成田国際空港(千葉)・カトマンズ(ネパール)
  • 2位 東京国際空港(東京)・ニューデリー(インド)
  • 3位 成田国際空港(千葉)・ダッカ(バングラデシュ)
  • 4位 ソウル(韓国)・ニューデリー(インド)
  • 5位 成田国際空港(千葉)・ムンバイ(インド)

4位の韓国も含めて、日本や韓国からインド、ネパール、バングラデシュなど南西アジアを目指す長距離航路では乱気流が発生しやすいと分かります。

アルマティ image by:Shutterstock.com

さらに、距離を無視して、アジアの航路で最も乱気流が発生しやすい航路はどこかを見ると、次のような航路が並んでいます。

  • 1位 アルマティ(カザフスタン)・ビシュケク(キルギスタン)
  • 2位 蘭州市(中国)・成都市(中国)
  • 3位 中部国際空港(名古屋)・仙台
ビシュケク image by:Shutterstock.com

アルマティ(カザフスタン)・ビシュケク(キルギスタン)、蘭州市(中国)・成都市(中国)は、飛行距離や大陸に関係なく、乱気流が最も発生しやすい航路ランキングで2位・3位に入っていた航路です。

奥羽山脈の蔵王 image by:Shutterstock.com

その次には、名古屋(中部国際空港)と仙台(仙台空港)がランクインしています。仙台と大阪(関西国際空港)の航路も第5位に入っています。

仙台は、奥羽山脈に囲まれる土地だからでしょうか。奥羽山脈も、山岳波による乱気流が発生しやすい土地とされています。

image by:Shutterstock.com

特に、名前の出てきた航路を飛ぶ飛行機に搭乗する場合は、シートベルトサインが消えた時も、いつも以上にシートベルトは着用し続けるなどの工夫をしておくと安心かもしれませんね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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