ニッポンの地方創生に、外国人の「地域おこし協力隊」という選択肢

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2018/04/16

総務省がスタートした、地方の活性化を担うプログラム「地域おこし協力隊」。地域の支援に取り組む協力隊員を受け入れる時自治体は2016年時点で880以上にもなりました。そんな中、日本人だけではなく、外国人の地域おこし協力隊も登場しており、ますます注目されています。

地方を盛り上げる「地域おこし協力隊」

「地域おこし協力隊」というプログラムをご存じでしょうか。総務省が2009年に始めた活動で、都市部の住民が地方自治体の募集に応じて、国から生活費などの支援を受けながら、地域住民の生活支援や地域の活性化などに取り組む活動です。期間内に、地域ブランドや特産品の開発・販売・PRなどの地域おこしの支援を行ったり、地域の農林水産業を行う企業や団体などで働きます。

期間はおおむね1年以上3年以下とされていますが、受け入れ先の自治体には、定着で過疎地などの人口を増やし、事業を起こすなどで地域を活性化する起爆剤にしたいという意図があります。初年度は実施自治体31、隊員数89名でしたが、2016年には886自治体隊員数約4000人と、関心は徐々に高まっている様子。

協力隊員は現役世代だけではありません。年齢や性別は不問ですので、定年を迎えたシニア世代でも、自身の能力や技術を地方の活性化に生かしたい、現役時代にはできなかったことを実現させたいと応募し、採用される人が出てきました。アクティブシニア向けの説明会も開催されています。シニア世代の募集には「生涯活躍のまちづくり」を進める自治体が積極的に取り組んでいます。

なぜ外国人が地方の協力隊員に?

そんな「地域おこし協力隊」の次なるターゲットは、なんと外国人。 日本を訪れた外国人旅行客は2017年に2870万人となり、東京オリンピックのある2020年は4000万人、2030年には6000万人を目標としています。すると、ゴールデンルートだけでなく、今まであまり外国人に知られていなかったものの、魅力ある地方を訪れる外国人が増えるのは間違いのないこと。地方での外国人誘致がますます活発化します。

その時に重要なのは、外国語での外国人への情報発信やPRです。地域ブランドや特産品の開発・販売にも外国人の目線が必要となるでしょう。

さらに、日本に定住して働く外国人も増えています。日本に慣れ親しんだ人たちが都市部だけでなく、地域おこし協力隊員として従事することで、地方の活性化に貢献してもらうことを考えているのです。

徳島県では外国人への説明会も実施しました。徳島県には、安倍首相が「桃源郷のような別世界」と紹介した祖谷地方で、アメリカ人が地域の人々と一緒に古民家を改修し海外からも多数の宿泊客を集めている桃源郷 祖谷の山里」があります。

 

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このように、日本の地方の魅力を知った外国人が率先して動くことも考えられます。


話は少しそれますが、外国人が地方公務員になる例も生まれているようです。外国人が絶対になれないのは警察組織や自衛隊、国家公務員など。しかし、地方公務員の場合は、地方活性化の分野で外国人採用を行っている自治体もあると聞きました。

ただし、自治体によっては、配偶者が日本人であることなどなどの資格が条件となっています。資格があっても、もちろん、日本の公務員試験に合格することが必須です。人手不足の日本、外国人も貴重な人材であることには変わりがありません。であれば、自治体が募集していて、公務員ではない「地域おこし協力隊員」で外国人が活躍するのは当然のことと言えるでしょう

和歌山県の町には、トルコ人の地域おこし協力隊も登場!

では、実際に、どんな外国人がどこで、どんな活躍をしているのでしょうか。「地域おこし協力隊」のサイトには、和歌山県串本町で活動する20代女性のアルカン・アイシェギュルさんが紹介されています。

彼女はトルコ人。実は、トルコと串本町の間には、歴史的なある出来事が存在します。130年近く前、トルコの船が串本の沖で沈没した時、串本の人たちは必至で救助活動を行いました。その後も、亡くなったトルコ人のために慰霊碑を建てたりと、両国の交流は続いています。

大阪大学に留学していたアイシェギュルさんは、そんな串本町で、トルコ人の地域おこし協力隊員を探していると聞いて応募、2015年から隊員として活動を始めました。仕事は、串本でのトルコの紹介や、逆に、串本の情報をトルコ語で発信すること、フェイスブックなどで串本とトルコの友好関係を全国にPRすること、トルコ記念館でのガイド、トルコ語やトルコ料理の講師など。

トルコ日本友好125周年式典では、両国の要人の通訳も担当したそうです。地域おこし協力隊は、これからの日本の地域創成にとって可能性のある活動になりそうです。

  • image by:徳島県
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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シニアライフアドバイザー。2000年から団塊・シニア世代のライフスタイルや動向を調査し、発信中。全国各地の自治体で「地域デビュー講座」の講師なども務める日々。当事者目線を重視しています。

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