日本と中国でこんなに違う「空港」事情、日中文化の差は旅行にも

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2023/02/11

同じアジア圏に属し、外観は似ていて言語も漢字という中国は、日本の歴史でルーツとなった国です。しかし、その「文化」はというと、まったく違うといっても過言ではありません。

中国のパスポート。image by:Shutterstock.com

それは飛行機が発着する「空港」も同様。中国の国土は日本の約25倍もあり、その分だけ多くの空港があります。

中国本土では、各都市間の移動は、飛行機移動が一般的です。「運賃が国際線よりも国内線の方が高い」と言われるほど、飛行機移動のニーズもあります。

日本そして海外で、これまでおよそ120空港を訪れてきた筆者が、中国本土の空港で得た奇想天外ともいえる経験も含め、日本と中国の空港との違いをご紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

「ターンテーブル」は表示通りに流れ来るとは限らない!

どの空港にも、よほど小さな空港でない限り、預けた手荷物を受け取る「ターンテーブル」があります。そのターンテーブルでは、表示された到着便の手荷物が流れ来ます。

しかし、中国本土の空港の場合、表示通りにちゃんと手荷物がレーンから流れ来るとは限りません。

中国の空港にある手荷物受取場。image by:withGod/Shutterstock.com

北京首都空港で手荷物を待っていたものの、なかなか流れてきませんでした。周りの同じ便の乗客の様子もソワソワ

すると乗客の1人が2つ向こうのターンテーブルへ走って行きました。よく見たら、そのターンテーブルから手荷物が流れ始めたころ。

一向に動かないこちらのターンテーブルから向こうに歩いて様子を伺うと、なんと自分の手荷物がそのターンテーブルから流れてくるのを見つけ、慌ててピックアップしました。


筆者の便は、ANA大阪便。しかし、2つ向こうのターンテーブルに表示されていたのは、キャセイパシフィック航空の香港便でした。

帰国後に会った中国出張が多い方に聞いた話、「中国本土は、表示通りに手荷物が流れてくるとは限らない。2、3つ向こうまでマークしとけ」でした。

保安検査は長蛇の列、しかもスタッフに丁寧さはゼロ

空港で必ず受ける保安検査も、中国本土では「鬼門」です。

まず、いくら混雑していたとしても、保安検査のレーンが増えることはありません。それどころか、長蛇の列でもスタッフ都合で打ち切ることも。

保安検査場。image by:TonyV3112/Shutterstock.com

中国人は我先に前へ前へ行こうとする傾向があり、レーンの順番はあまり意味がなく、こちらが外国人だからといって、絶対に遠慮してはいけません。

北京首都空港の保安検査で、例の如く長蛇の列だった時、車椅子のグループが列を割り込んできました。車椅子となるとこの混雑でもさすがに優先すべきなので、空港係員は最前列に誘導。

しかし、そのグループの付き添いを装い、便乗して先に保安検査を通過しようという中国人が続出しました。ただでさえ列が進まないずっと並んでイライラしているほかの中国人搭乗客からも、さすがに罵声が飛びました。

チェックインカウンターも長蛇の列。image by:Shutterstock.com

保安検査における保安スタッフの「手荷物の取り扱い」にも要注意。空だったとはいえカメラバッグを投げられ、スーツケースが開いた状態で保安検査の機械に流した時には、一瞬ヒヤッとしました。

豪華なターミナルの割に設備がイマイチなのは理由がある

中国の主要空港は、人口が多くて運航便も多いだけに、その大きさに圧倒されます。しかしその割に、ターミナル内にある売店やレストラン・カフェなどは日本と比べて正直「しょぼい」と毎回思います。

北京にあるもう1つの空港、北京大興国際空港。image by:lazy dragon/Shutterstock.com

中国料理が食べられるお店、マクドナルドやバーガーキング、スターバックスなどは、たいていあります。しかし、日本の空港にあるような地元の名店がプロデュースするレストランなどは、ほぼ見かけません。

いままで中国本土の空港で食べたレストランの味がほぼ思い出せないところ、結局そのレベルだったのだなと思います。

ショップも、免税店も含め、あるにはあります。しかし、特に保安検査後エリアが微妙。中国も近年は物価高のため、免税店で買い物するメリットもさほど感じられません。

しいて言えば「パンダ」グッズの多さぐらいでしょうか。中国茶すら、なぜだか空港となると微妙なラインアップ。そういえば昔の日本の空港もそうだった…と思い出します。

上海浦東国際空港。image by:NG-Spacetime/Shutterstock.com

なぜ豪華なターミナルなのに、中身がイマイチなのか。その答えは、中国が社会主義の国だからでしょう。同じような感想を、社会主義国であるベトナムの空港でも抱きました。


空港でWi-Fiを使うのも難しく、「LINE」も使えない

中国の空港内にも、無料で利用できるWi-Fiがあります。しかしこれがまた使いづらい。新型コロナ直前では、中国の電話番号を登録しないと利用できない仕組みでした。旅行者が中国の電話番号を保有しているケースはまれでしょう。

中国本土では多くのSNSが使用不可。image by:Ascannio/Shutterstock.com

空港に限らずですが、中国では「Google」「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」などが軒並み使えません。

これらを使う方法はゼロではないものの、つなぐまでの設定がいろいろあり、初心者には難しいです。かろうじて「Yahoo! JAPAN」は使えるものの、不安定です。

これは中国ならではの検閲、グレートファイアウォール(金盾<きんじゅん>)が原因です。

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