6千人のユダヤ人が上陸した過去も。鉄道と港の町「敦賀」の意外な歴史
敦賀のホスピタリティー
杉原が発給したビザを持ち、日本行きの船に乗船できた難民たちがたどり着いたのが敦賀だった。敦賀の人たちは多くの避難民たちを支援した。銭湯の旭湯は無料でお風呂を開放し、人々は空腹の難民に食事を提供するなど、手厚い援助の手を差しのべたのだ。
国際港として開け、さまざまな国の人々の往来があったおかげで、敦賀の人々は外国人を受け入れる土壌が出来上がっていた。難民への支援は敦賀だからこそ成せたホスピタリティーではないだろうか。
敦賀港のある金ヶ崎緑地に立つのが「人道の港 敦賀ムゼウム」だ。ここはポーランド孤児や杉原千畝の発給した「命のビザ」を持って敦賀に上陸したユダヤ難民たちに関わる資料や写真、杉原の肉声を通し、人を思いやる気持ちについて深く考えさせられる場所である。
敦賀ムゼウムの近くにある1905年にニューヨークスタンダード石油会社が建設した敦賀赤レンガ倉庫もまた、敦賀の歴史を見てきた建物だ。
2015年にレストランと1945年(敦賀空襲被災時)の復元地図を参考に、敦賀の街並を約80分の1スケールで再現したジオラマを展示する商業施設となった。
見応えのある鉄道ジオラマは映画『シンゴジラ』のセットに関わったスタッフが手がけたもので日本最大級。2015年に映画『杉原千畝』が公開されたことも重なり、金ヶ崎地区を訪れる観光客は約10万人も増えたという。
人道の港敦賀ムゼウム
福井県敦賀市金ヶ崎町44-1(金ヶ崎緑地内)
0770-37-1035
http://www.tmo-tsuruga.com/kk-museum/
敦賀赤レンガ倉庫
福井県敦賀市金ケ崎町4-1
0770-47-6612
http://tsuruga-akarenga.jp
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