【私の出合った日本百名山】初心者から愛犬家まで楽しめる「入笠山」
日本のいろいろな山を毎週1山ずつ紹介し、はや8年になる登山フォト紀行メルマガ『私の出合った日本百名山』では、今週、長野県伊那市・富士見町の入笠山の登山レポートを公開されています。
入笠山(にゅうがさやま・1955m) 長野県伊那市・富士見町
梅雨入り前の6月上旬の山梨&長野ミニ遠征である。今年は久しぶりに八ヶ岳方面に行きたくなり1日目は足下には雪、ガスの中を硫黄岳(メルマガNo.644)に登った。
2日目には晴れ空の中、天狗岳(メルマガNo.646)に登った。そして3日目は、守屋山に登り、ここ入笠山に来た。入笠山はかつて冬に来たことがある(メルマガNo.167)。
その時は沢入登山口から登り、往復同じコースを通った。入笠山は日本300名山の1つであると共に、花の百名山である。近くにあるし一度花の時期に行きたいと思っていた。今回は沢入登山口から入り、入笠湿原、入笠山、大阿原湿原、入笠JAハウス、入笠湿原、沢入登山口という周遊コースを考えていた。
9時、沢入登山口に向かおうとすると、坂の途中で車を止められ「沢入登山口の駐車場は満車だから富士見高原パノラマリゾートの駐車場に止めるように」とのことであった。
富士見高原パノラマリゾートの駐車場にはかなりたくさんの車が止まっていた。インフォメーションで聞くと、ここ富士見高原パノラマリゾートの駐車場からは登山道はない、と言う。と言うことは、お金を払ってゴンドラに乗る以外は入笠山には登ることができない、ということである。
伊東市にある大室山(メルマガNo.338)は、静岡の百山に選定されているがリフトで登る以外は行く方法がないというのにびっくりしあきれたことを思い出す。まあ、仕方ないことと諦め、ゴンドラを利用することにした。
ここは冬のスキー場がメインである。多くのスキー場が夏は高原や高山植物観賞のためのリフトの運転をしている。ここが通年営業のため、取り組んでいるペットOK、マウンテンバイクの走行コースは感心した。
犬などのペットは高山植物に影響がないのか心配ではあるが、マウンテンバイクで下まで下るのは気持ちがいいだろうと思った。
すぐにチケットを買い、ゴンドラに乗る。決まった時刻に出発するロープウェイとは違い、1分間に何台もやってくるゴンドラにはすぐに乗れ山頂駅に着くことができた。
山頂駅の前には満開のドイツスズランが200万本植えられていた。しかもその先には八ヶ岳の山々が広がっている。ドイツスズランのよい匂いが漂っていた。
我が家には日本スズランがあるが、日本スズランはあまり香りがしないし大きさも半分ほどである。小さいからドイツスズランよりも可憐ではある。人工的な美に度肝を抜かれたが、目的は自然の花々であり入笠山からの展望である。観光客と共に入笠湿原に向かう。
その入口にはシカ除けゲートがあった。多くの高山植物が人間の保護なしでは現状を維持できないのは残念ではあるが、仕方ないことである。
そこには日本スズランが咲き始めていた。それらを見ながら湿原の木道を緩やかに上っていく。
湿原の周りの木々には白い花が付いている。バラ科のズミの花である。今がちょうど満開である。足下には黄色のシナノオトギリが咲いている。
守屋山でも見た赤いクリンソウもある。また、ムラサキケマンもあった。6月初めということもあり、花は多くはなかった。
10分余で山彦荘に着いた。休まず入笠山方向に向かう。