旅も人生も、もっと楽しく編集できる。

実はまだ氷河期?日本で初めて「氷河」が発見された富山・立山連峰

坂本 正敬
坂本 正敬
2019/01/09

2012年、富山で3カ所の雪渓が日本初の氷河に認定

剱岳三ノ窓氷河の調査 image by 富山県立山カルデラ砂防博物館

「氷河」と聞くと、なんだか日本人にとっては遠くて寒い国にある印象がありませんか?冒頭でも記した通り、パタゴニアやアラスカ、ヨーロッパの緯度の高い地域、標高の高い山に残っているイメージですよね。

しかし2012年、富山県に氷河があることが判明したのです。そもそも7~8万年前、富山の中でも立山連峰の山頂付近には巨大な氷河が広がっていたと、先に引用した『立山の地形 氷河時代の立山』にも記されています。

筆者の自宅は富山にあり、仕事部屋の窓から山並みを一望できますが、氷河がその重みと流れによって山体を大きく削り込んで、スプーンでえぐりとったような巨大なくぼみを斜面に残している様子が見て取れます。このくぼみを圏谷(カール)と呼ぶそうで、まさに氷河があった証拠なのだとか。

参考:穂高岳・涸沢カール E-190 [GFDL or CC-BY-SA-3.0], from Wikimedia Commons

立山連峰の稜線の東側、富山市から見た山の「裏側」にも上述したカールという地形がいくつもあり、その圏谷には万年雪(雪渓)があります。これらの雪渓は、2010年ごろまでは氷河の子孫、氷河に近い構造を持った万年雪とされてきました。

しかし、2012年4月には、立山の雪渓の中でも特に巨大な御前沢(ごぜんざわ)雪渓、さらに剣岳の斜面にある三ノ窓(さんのまど)雪渓小窓(こまど)雪渓が日本で初めて氷河だと認められたのですね。

立山御前沢氷河の全景 image by 富山県立山カルデラ砂防博物館

当時の新聞を振り返ると、地元の新聞2社が同月に社説で大きく取り上げており、その後も発見の功労者に関する取材記事を断続的に掲載するなど、盛りあがりを見せていました。

翻訳家/ライター。1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の紙媒体、WEB媒体に日本語と英語で執筆する。 主な訳書に『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)。

実はまだ氷河期?日本で初めて「氷河」が発見された富山・立山連峰
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます
ついでに読みたい
 富山 あの頃に戻りたくなる。懐かしい風景を楽しめる富山のブックカフェ ★ 147
 富山 国内で1カ所だけ。縄文人も愛した翡翠を拾える富山「ヒスイ海岸」 ★ 128
  おにぎりに、のりは巻かない。富山県では当たり前の食べ方とは ★ 100
 富山 トロッコ電車の始発駅。絶景と温泉を一度に味わう富山「宇奈月温泉」 ★ 18
 富山 交通手段はトロッコ電車のみ。山奥の秘湯「黒薙温泉」 ★ 226