実はまだ氷河期?日本で初めて「氷河」が発見された富山・立山連峰

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2019/01/09

2018年、新たに3カ所が氷河と認められる

立山・内蔵助氷河 image by 富山県立山カルデラ砂防博物館

さらに氷河の発見は続きます。2018年には同じく立山連峰の東側のカールにある内蔵助(くらのすけ)雪渓も、新たに氷河だと認定されます。

2010年度企画展のために立山カルデラ砂防博物館が作成した『立山の地形 氷河時代の立山』を見ると、内蔵助雪渓は「厚さ最大30mもある氷河氷に近い万年雪」と記されていますが、この段階で流動性は認められていません。その後の研究で流動性も認められ、新たに氷河と認められたのですね。

剱岳・池ノ谷氷河 image by 富山県立山カルデラ砂防博物館

加えて剣岳の池ノ谷右俣(いけのたんみぎまた)雪渓に関しても、氷河と認められました。2013年の段階で、厚さ30mの分厚い氷があり、さらに1カ月で10cmほどの動きが確認されています。かねて、こちらも氷河なのではないかと言われる中で、正式に認められたのですね。この氷河に関しては富山平野からも見える剣岳の西側斜面にあります。さらに同じタイミングで、同じ北アルプスでも、後立山(うしろたてやま)連峰の長野県側にも初めて氷河が確認されました

こうなると、観光客の関心は「氷河を歩けるの?」「間近に見られるの」という点になってくると思います。結論から言えば、氷河まで山岳ガイドに連れていってもらえる氷河体験ツアーは実施されています。もっと簡単なツアーとして、氷河の近くまで行って眺望を楽しむツアーもあります。残念ながらこれから冬の時期に入るため、ツアーは翌年の夏までお預けになりますが、今から体力をつけ最低限の登山技術を身につけて、来年の夏を目指してもいいかもしれませんね。

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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